内面が忙しいあなたへ〜「吊られた男」より
吊られた男のカードは12番
タロットカードで、大アルカナ「吊られた男」のカードは12番です。
12を1桁にバラすと、1+2=3
つまり12は、創造性や増殖を意味する3のグループに属します。前回の「女帝」は3のカードでしたね。
3は、創造性、増殖、つまり「増える」動きを象徴します。もともと3は奇数なので、外に向かって働きかける生産性の力です。
それに対して、12は偶数なので「吊られた男」の12の創造性や生産性は、内向きの力になります。
むむむむむ?そうです。占い界隈にはたくさんいらっしゃる「内向的」と呼ばれるタイプの方々の得意分野です。
内面が忙しい人たち
昔々、とある講座はディスカッション形式でした。7-8名の参加者さんたちはみんなテーブルを囲み、その日のテーマに合わせた体験談や感想などを活発に交わして、場は笑いに包まれていました。
その中に、じーーーっと黙って頷くだけの人がひとりいらっしゃいました。お隣に座っていた方は気配り上手な優等生だったので、黙っているその方に「どうですか?なにか質問とか?」と、声をかけました。
すると、黙っていた方はぽつりとこうおっしゃるのです。「おもしろいんです。ものすごくおもしろいんです。ちゃんと反応できなくてごめんなさい。おもしろさをじっくり味わっているんです」ですって。
わーーー!そのときに降ってきた言葉はこれ。「内面が忙しい人たち」です。外から見ると、じーーーっと黙って何を考えているかわからないけれど、心や頭の中では激しく動きがあって火花を散らすような。
つまり、これだ。この「動きは止まっているけれど、内面が忙しい」という状態、これこそがタロット12番「吊られた男」の状態なのだと、よくよくわかりました。すぐに感想が言えなくていい。じっと味わえばいい。
このときの講師役は、何を隠そうこの私でした。その場ですぐ反応がない方のことは心配になるけれど、心配はない。黙っているのはつまらないから、とか、この場が嫌というわけではないんだ。それは新たな発見でした。
気を使って声をかけてくれた優等生の人にも、率直にお気持ちを教えてくれた内面が忙しい方にも、どちらにも心から感謝しています。
逆さだから見える世界
どんな絵柄か、カードを眺めてみましょう。
初めてこのカードを見た初心者さんが「あ!逆になってる!」と、上下を入れ替えて「あれ?」と不思議な顔をする場面に遭遇したことがあります。ですよね。そう思いますよね。わかります。不思議なカードです。
わざとこうなってるの?あんまり嫌そうじゃないよね?何かの修行?ヨガ行者さんとかそういう人?あ、なんかひらめいたの?赤いタイツがめっちゃ現世の欲望満タンみたいでギャップがあって印象的なんだけど。
一般的なお悩みごとを占ってこれが出たら、確かに「あーーー」と思うし「すぐにパッと解決して、らくらくすらすらなんでも思い通りになる大吉です」みたいなことは、ちょっと申し上げにくいです。
時間はかかります。いまはじっとしんぼうのときです。待ちましょう。本当にそれがあなたの願いなのですか?あなたの行動と願望はズレていませんか?迷走じゃなく、瞑想しましょう。完成まで籠ってがんばって。
そんな感じです。じっとおこもりしてなにかを制作するとか、缶詰になってなんとか締切に間に合わせるとか、そういうのお好きな人けっこういらっしゃいますよね。行動的なタイプの人にはつらい状態かもしれませんが。
いったん立ち止まる勇気
確かに「現実おもいどおり」「イケイケどんどん」というテイストではないカードなので、占いの現場でこのカードがでてくると「あららー」って落胆する気持ちはよくわかります。
でも、いったん静かに立ち止まって、外的な刺激を極力少なくして、内面にダイブするようなインナートリップ、内面の旅をするのは不思議な世界を探索するスキルの基本的な態度です。
現実世界で拘束や強制されるような場面は避けてほしいですが、内面の探索を深めたい方、精神世界、神秘世界に関心が深い方、創作活動に携わる方などにとっては、とても心強い味方になってくれるカードです。
反転する力を味方につける
例えば、大昔の暦では冬の底、つまり冬至を一年の始まりとする説が優勢でした。光が最も少なくなり、そこから反転して光が増えていくタイミング、これを王様の死と再生のプロセスになぞらえたのです。
その性状や姿だけをみれば、冷たく固く閉ざされた季節である「冬」ですが、もともと「冬(ふゆ)」の語源は、ふる(触る/振る)、ふゆ(増ゆ/殖ゆ)だと、折口信夫が言っています。
特に寒い地方では、冬の間は室内にこもり、その時期にしかできない作業をして春夏に備えました。大きなジャンプの前には、膝をかがめて小さくなる必要があるように、増える前にはいったん止まることも大切です。
羽ばたく前には準備運動を
さてさて。
10/28(土)マジカル☆パワー祭り、すっきりした青空が秋らしいスカイブルーのメニューはこちら。
え?なんでこんな爽やかなのに「吊られた男」気分の人におすすめなの?と、疑わないでください。晴海プラム先生、長きにわたる「社畜」生活で心身のバランスを崩してしまい、そこから少しずつ少しずつ、歩みを進めてここまで来られたのです。
その日々の様子はこちらに綴られています。会社や仕事、責任に縛られて動けない状態はまさに「吊られた女」だったんですね。だからこそ得たこと、気付いたこと、わかること、たくさんあるはずです。
誰だっていつでも爽やか青空、ってわけじゃないですからね。いまキラキラ輝いている人にだって、長い冬の時代や、不自由に耐えた経験があったり、誰にも言えない秘密があったりするものです。
占いワールドにいるとなおさら、ひとにはいろんな側面がある、ことを痛感させられます。いろんな場面に、できるだけ寛容でいられるなら、自分自身にも周りの人たちにもそうあることができるでしょう。
それでは、今回のイベント太陽、じゃなかった。隊長!プラム先生のメニュー紹介です。
ご予約可能な空き枠がすでに少なくなっています。ご予約はお早めに!
●晴海プラム(タロット・手相)
スカイブルー担当
① 本当の幸せを探す「青い鳥コース」(タロット+手相)15分 2,000円
あなただけの本当の幸せのテーマをお伝えします。幸せのかたちは人それぞれ。自分自身で気づくのは難しいものです。一緒に青い鳥を探す旅に出かけましょう。
② 心のくもりを晴れやかにする「ブルースカイコース」(タロット)15分 2,000円
もやもやを自分の中にためていませんか?いつもハマってしまう、もやもやのパターンを明らかにすることで、心を解放し、すっきりした気持ちで過ごせるポイントをお伝えします。
*特製鑑定シート付き。
③ 人生の設計図を深く知る「ブループリントコース」(手相)10分 1,000円
手のひらに刻まれた人生の設計図を読み解きます。生まれもった性格や才能、将来の重要な出来事を知って、人生にいかしていきましょう。
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晴海プラム先生のX(旧Twitter) @harumiplum
晴海プラム
ただの社畜から占いに出会い、占い師へ/ 熱いハート(ワンド)なタロット占い師/思い立ったらすぐ行動!瞬間移動!活動宮の民/太陽牡羊、月魚/筋トレ、ピラティス /パーソナルトレーナー/N L Pプラクティショナー/美術館、芸術祭巡り/和菓子大好き
ぜひお立ち寄りください。お待ちしております。