優しいコーヒー
やぁおはよう いい朝だね
”おはよう 本当にいい朝ね いつものコーヒー?”
あぁお願いするよ
”クリスマスはどうだった?”
そうだね 家族みんなでいい時間を過ごしたよ 君も?
”彼と色々あって クリスマスは彼抜きで家族で過ごしたの”
それは ごめんね
”いいのよ きちんと向き合えたからすっきりしてるわ”
君が元気で良かったよ 君の笑顔とこのコーヒーは
私の一日のエネルギーだからね
”あら ありがとう あなたの言葉で私は楽しく働けるわ
コーヒーお待たせ 今日も良い一日を”
君もね
営業時間中いたるところで交わされる カジュアルな会話
こんなにも優しい空間が存在するんだなと目を細めてしまう
私の視点
見方を変える作業
いつもの自分の視点とは違う角度から物事をとらえていくと
その先には今まで見たこともない景色が広がっている
矛盾した世界に存在するということは
どんなものも矛盾していて 多面性を持っているという事
あの子が
一つの答えを導き出せる数学に夢中になったのは
そういうものを肌で感じていたからだろうな
私はうろうろ歩き回って あれもこれも正しく
正しくない世界に溶けて 混ざりあうように息をする
いとおしく愛すべきこの世界