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少女都市からの呼び声・ネタバレできないからちょっとしたことだけど追記

田口がオテナの塔について、口から赤い紐と白いボールを吐き出して、雪子に『兄さんこっちよ』と呼ばれて椅子に座るシーン。

『ちょっと大声出さないでよ、みっともない』
「あ〜俺はみっともない兄貴さ!お前の迷惑になることならどんな大声だって出してやるさ!」

のシーン。

妹が好きで溺愛してるような素振りを見せる田口なのにそのセリフはなんとも腑に落ちないというか、なぜ迷惑をかける?🤔と疑問に思っていた。

それはもしかしたら、

田口の中には雪子に出てきて欲しくない気持ちがあるから迷惑をかけるのかな、という考えが自分の中では筋が通るように感じた。

まず、生まれてこなかった妹とか言うからややこしいのであって、田口のトランスジェンダーな女性性を具現化したのが雪子だとする。

生まれてこなかった女兄弟の分の人格まで田口の中にあるように感じるほど田口の中には男性性と女性性が共存していると捉え、それを“妹”として表現しているとなる。

男性として生きてきた中で女性としての心は大事にしたいけど、そうそう表に出てきて欲しくないと田口が思っていたとすると、

お腹の中のものに届けるように大事に抱えるように笑うのも分かるし、同時に苦しそうな顔をしていたのも、錯綜する自分の両性に戸惑ったり苦しんだりしたものなのかな、と思えばスッキリする。

有沢の婚約者のビンコが、私が女で婚約者なのよ、周りにいるのが女でない限りは大丈夫☺️みたいな、ことを言う。

なぜそんなことを粒だてて言うのかと気になっていたけれど、田口が女の子ならと仮定すれば有沢を取り合う恋敵になりうる。

これも伏線だったのか〜

と納得した。

最後に田口が目覚めるのを待ってて牛乳とパンを買ってくるシーンでも、女は私よ?と言って去る。

有沢はいなり寿司の話をしてたのに牛乳を買ってくるビンコ、最後にビー玉をその牛乳瓶に閉じ込めちゃうビンコ。

女の勘て怖い。


話は変わって少女都市とはという話では、答えらしき解釈は見つけられていないので、次観劇する時に考えたいな〜感じたいな〜と思っているところだけれど、

連隊長がでてきたり、フランケが半分人間で半分仮面のようなものになっているところや、最後、兄さん私の首を絞めて…と雪子に言われて田口が首を締めている時にフランケと田口とが争う時に誰々をどうしたとかそれは俺の妹だとか言って、要は、戦争中や戦後などにフランケが乱暴してきた女の子たちの話をしていたり、

連隊長にフランケが『お前みたいな温かい人間では北へは行けない』

って言われてるのが気になった。

多分これは歴史を知らないとダメなやつだ…と思ったけどほんとに現代史というか世界史というか、私は理系にいた人間なのでさっぱり分からない。

残念。

オテナの塔が見えたり見えなかったりするのはなんなんだろうね〜

今のLGBTに分類される人とされない人の違いなのかな。

舞台の時の歌をちゃんと聞けばわかるのかな(聞いてないんかい!)

田口がボコボコにされてる時、雪子が『オシ』だからお兄ちゃんといえなければ俺のものだ!というフランケのあのシーンで、雪子はお兄ちゃんって言うんだよね。

雪子は女として生きられればいいんじゃなくて、有沢の傍で、有沢に恋をして生きたかったんだろうね。

田口が君に嫌われるから言わない。と有沢に打ち明けなかったのも、男が男に恋するなんて…と距離を置かれるのが嫌だったんだろうね。

有沢にビー玉を渡して持っててね、それを落とされちゃ私は存在できないから
という雪子と

ビー玉を落とした有沢と

そのビー玉を拾って瓶入れてカラカラカラカラと酷く鳴らすビンコと

夢の中で誰かにあったけど、指をなくしちゃ仕事にならないし、と悲しそうに笑う田口と。


自分の性を告白するのはきっと勇気がいるし、繊細な気持ちなんだろうし、

受け入れたつもりでもふとした時に田口を女として扱えなかったり、男として扱ったり、

有沢は私の婚約者よ!と言わんばかりのビンコは男性は男性らしくじゃないけれど、世の中を表す“当事者ではない人”の代表であったり、

女として田口のそばにいるのではなく“親友”として生きることにした田口だったり。

う〜ん。世の中難しいね。全ての性別と性癖を許す訳には行かないじゃん。生きて恋をしたい人と死体を愛したい人は同時には両立しない、みたいなさ。

だからどこかを制限しないといけない。

指をくれって言われたけど指はこのとおり、ここにあるしね。という田口に、『くれたのよお!!!』と叫ぶ雪子は

雪子と田口は指を分け合って、約束していたのに

自分の中の女性性を抑圧して生きることにした田口なかの女性性の叫びだったんだね。


子宮がガラスになるとか、ガラスの子供を産むとか、雪子がビー玉を吐き続けるのはみんなの代わりだとか、世界のガラスが割れる度に私が壊れていくように感じる、世界のガラスが割れた時私はどうなるの?の雪子とか、

まだまだ分からないことは沢山。


次の観劇までに買いためた雑誌読んで、プログラムも読んで、本もちゃんと読み切って、しっかり予備知識を入れて見に行きたいな〜!の気持ち🥺




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