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【Semilla】引き分けの夜

今宵はSemillaへ。
https://www.semillaparis.com/fr
地下鉄のオデオン駅から歩いて3分ほどのミシュラン掲載店。
近くには一風堂やこだわりラーメンなどラーメン店も多い。

Fish a boisonaireという魚専門店のオーナーが始めた店とのことで、魚料理に期待が高まる。

前菜は鯛のセビーチェと迷って、鯖のマリネにしてみる。
ヨーロッパで鯖か。しかも生。
大丈夫だろうか。
臭いのだろうな。
でも魚料理専門店なのだし信頼してみようか。
もじもじ、もやもやしながらも、思い切って注文する。

そして運ばれて来たのがこちら。

見るからに新鮮な鯖。
九州では五島や大分の鯖を生で食べる。
けれど、鯖は足が速いので東京ではたいてい酢でしめる。
しめ鯖は東京の居酒屋の定番メニューだ。

それにしても新鮮な鯖。
恐れ入りました。

1つ口に含んでみる。
おいしい。
ぬめっとして、刺身醤油でもじゅうぶん食べられそうなクオリティ。
和風の出汁の旨味に、柑橘の酸味、それにライムの皮が少々削ってある。
酸味の加え方が絶妙なので、飽きないし疲れない。
出汁のまろやかさもあって、無限に食べられそう。
前菜としてはかなり質の高い皿だと思った。

メインはウサギと迷って、Flétanにしてみる。
英語だとHaribut。
ヒラメのような魚らしい。

穏やかな見た目。
少し火を入れすぎではと思って食べてみたら、実際そうだった。
ぱさぱさした食感。

いわゆるムニエルのようになっていて、レモンバターソースで味付けしてある。
魚がやや生臭い気がする。
このバターソースにベッタリと浸さないと食べ続けるのがつらい。
そういう皿だった。
付け合わせも含めて、トータルでは悪くないのだけれど、おいしいというところまではだいぶ距離がある。
前菜の満足度からすれば、メインは期待したほどではなかったかもしれない。

前菜16ユーロで1勝、メイン27ユーロで1敗。
ヨーロッパで魚を食べて1勝1敗なら、よしとしなければいけないのだろう。


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