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ディズニーランド・パリ調査報告① 家族を「する」場所

いま取り組んでいる原稿がちょうどディズニーランドをめぐる箇所に差し掛かったので、思い立ってディズニーランドに来てみた。

1992年にオープンし、今年が開園30周年とのこと。
当時はユーロディズニーと言ったが、いまはディズニーランド・パリに名前が変わっている。
ユーロディズニーのままではヨーロッパの他の街にディズニーができた時に困るということだったのだろうけれど、その後、香港と上海でオープンしたけれどヨーロッパではまだパリにしかない。

来てみたものの、「来ました!」ということ以外に特に書くべきネタも見当たらない。

とは言いつつも、せっかく来たので重い腰をあげて調査報告を記しておこう。

まずは東京との違いをつらつらと挙げておく。

城が違う

パリの城は眠れる森の美女の城。

東京とフロリダがシンデレラ城で、カリフォルニア、香港、パリは眠れる森の美女の城、上海はごった煮のようだ。

城はシンボルなので、城が違うと印象もかなり異なる。

香港では城の向こう側に山が見えている。

借景と言えなくもないが「完璧な閉鎖空間」という観点からすれば原則から外れていることになる。

ついでなのでカリフォルニアの眠れる森の美女の城も貼っておこう。

こうして見ると、パリの城はやや高さが高いのだろうか。

家族中心かどうか


新井克弥『ディズニラーンドの社会学』によれば、ウォルト・ディズニーはディズニーランドを家族向けのレジャー施設として構想したが、東京は家族中心からディズニーランドオタク(Dヲタ)中心へと変容しつつある。
ここパリでは、まだ子ども連れが目立つようだ。

とはいえ、ちらほらとDヲタと思しき方々もみかけた。

あと、イタリア人がやたら多いような印象だったが、いつもそうなのかはわからない。

ちょっと車を走らせれば「ザ・ヨーロッパ」的な風景を簡単に目にすることができる人たちが、なぜこのヨーロッパ風の空間を楽しんでいるのだろうか。

ユニフォーム

カチューシャを着けている人は5%くらいか。
街なかでマスクを着けている人よりは多い。

東京では義務的にカチューシャをするわたくしも、今回は遠慮しておいた。

何らかのコスプレをしている子どももいるが、大人でコスプレしているのはかなり少数派といったところだろう。

料金、規模、待ち時間

チケットは曜日によって変動し、訪れたこの日は62ユーロ。9,000円ほど。
週末や夏休みは80ユーロほどする。
東京と比べれば敷地も狭く、アトラクションも少ない。
園内をぐるっと一周するのに、それほど時間もかからない。
ファストパスにも追加料金が必要だ。
割高なのではないかと、個人的には思った。

待ち時間は、15分から60分ほど。
6月の熱波と重なり、5分歩くと休憩が必要という気候だったので、30分待つのも結構ツラい状態だ。

子どもを連れて奥さんと来ている男性。
「僕はここで待ってるから乗っておいで」と言ってベンチに座り、解放されたような面持ちでスマホを触っていた。
奥さんの不満そうな顔といったら!

帰りの電車の険悪な雰囲気が容易に想像された。
ここでは誰もが「良き家族」を演じないといけないのですよと言いかけて、「お前に言われたくない」と言われそうで黙り込んだ。

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