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【東方アレンジCDレビュー】Re:Tune/overTuner

特設はこちら 今回フラっと行った例大祭で懐かしいサークル名を見かけたので。どうやら10年程ぶりの再始動とのことで、そりゃあめでたいことです。 内容としては非常に良質なギターロックとでも言えば良いでしょうか。全体的に端正なプロダクションで爽快感のあるサウンドと言えます。 そういった楽曲が皆無という訳ではないですが印象としてはロック系としては若手のサークル等の破天荒なパワーで突っ走る勢いを感じさせる様なものとは対極の、ある種の落ち着きすらも感じさせるクールネスで多彩なアプロー

    • 生存報告

      なんか大仰な書き方ですが大した内容はないです。 果たして今これを公開して読む人なんているのか、という話なのですが。 昨年の10月に自分のサークルを畳みまして、まったり……したかったのですが、ありがたいことに別方面でちょこちょこ作業したりしてます。 とりあえず、サークル活動辞めた理由は、なんというか色々張りつめていたものが溢れちゃいまして。明確な切っ掛けはあれどそれだけが原因という訳でもなくて、まぁ色々しんどくなったので、うん。 とはいえ、ある程度作りたいものは作りきれた方

      • 2021年に聴いて良かったアルバム

        まぁ1年終わったので、昨年買って聴いたものの中で良かったアルバムを書き出してみる。 あくまで「昨年買った」であって「昨年リリースされた」作品ではないので注意。 ・Distance/RWYR https://rwyr.bandcamp.com/album/distance アイルランドの多分3人組のバンドで、打ち込みを多用したポストロックになるかと思います。これが1stアルバム。 この手の打ち込みポストロックだとダンス寄りかエレクトロニカ寄りかになりますが彼らは後者ではあ

        • Dischord recordsの個人的なオススメ作品について語ってみる。

          ・はじめにハードコア・パンク~ポスト・ハードコアなんかの流れを見ていくときにやはりワシントンD.C.のDischord recordsは特に重要なレーベルの一つなんですが、多分レーベルの全カタログが今Bandcampにあるんですね。 凄い。便利な時代になったものです。 今では手に入れるのが難しい作品等も聴きやすくなったことですし、あのレーベルの作品で個人的に重要かなと思う作品についてつらつらと書いてみようと思います。 ・初期(大体80年代前半頃)レーベルの初期に当たるこの時

          「ティルナノーグと刻の歌」Traumerei Fabrik 感想。

          2021年にもなって2015年のアルバムについて書くのは申し訳ない気持ちもしつつ、やはりこのサークルが5年越しで出した「ティルナノーグと永遠の歌」が傑作だったというのもあって、ある種前身となるこの作品とはきちんと向き合いたいと思いまして。 ちなみに作品自体は2019年に入手していたのですが、それから2年経ってやっと感想書くのは、入手の際に秋晴君に「僕の就活の闇が詰まった作品です」って言われたからです。そのイメージを払拭してからじゃないと書けないよね。 という訳で、以下感想。

          「ティルナノーグと刻の歌」Traumerei Fabrik 感想。

          「異食獣」ワタシキサマ 感想。

          この作品についてはずっと感想を書こうと思ってたけど、ようようやっと自分の中で落ち着く結論が出たので。 そういえば、感想に入る前に一つ重要なことを書いてなかったのですけど、私の感想記事は基本的に聴きながら思ったことを特に何も考えずに書き散らかしてるだけなので散文的だと思います。書き散らかしたことを拾うこともあるし、そんなことはないかもしれないし。私は物書きではないので備忘録の様なもんだと思っていただければ。 そんな訳で感想は以下からです。 参加してる方がそれぞれしっかりと実

          「異食獣」ワタシキサマ 感想。

          「ICONOCLASM」梶迫小道具店 感想。

          サークル、梶迫小道具店の「ICONOCLASM」というアルバム、初頒布はおよそ1年前でしたがやっと自分の中で色々作品について整理ができたので感想を書いておく。 個人的にこのサークルの音は2018年辺りからそれまでよりも一つ先のフェーズに突入したと思ってまして。 それ以前は音の傾向として本当にストイックというか重低音の強さ、ビートのタフさをひたすら追求した音作りとして目指すポイントが明確な分、それ以外の要素が入り込む余地のないクラブ向けという言葉に嘘偽りのない作品というイメー

          「ICONOCLASM」梶迫小道具店 感想。

          東方アレンジのアルバムをフリーDLで公開しました。

          タイトル通り、フリーDLで東方アレンジアルバムを公開しました。 ↓で落とせます。 https://rbs.booth.pm/items/3134376 どうでもいいけどBoothってフリーDLだと一括DLできないのがちょっと不便。 さて、この『マヨヒガの残滓』アルバムに関してはTwitterでも多少言及はしているのですが、きちんと纏めておきたかったので筆を取っています。 まず、この作品はBoothの方にも書いてますが、水之江めがね氏が書かれた東方二次創作小説『博麗霊夢と幸

          東方アレンジのアルバムをフリーDLで公開しました。

          東方虹龍洞をプレイして強い幻覚を視た話

          はじめに2021年というコロナ禍の中で発表された東方profectの新作、東方虹龍洞。 2020年は同人イベントは大半が中止・延期を余儀なくされ同人という文化が縮小する可能性も囁かれていますが、そんな中で発表された同人作品のビッグタイトル、ということになります。 かくいう私も、東方というジャンルで二次創作をしているのでこの時期での原作の供給というのは非常にありがたいもので、事情がありCD版のショップ展開を待ってプレイしました。 その結果、強い幻覚を視ることになった。 あ、原作

          東方虹龍洞をプレイして強い幻覚を視た話

          2020年の東方ポストロックについて

          とりあえず、今年はこんな記事を書いてしまったことですし、東方ポストロックというニッチなジャンルを振り返るのもいいかもね、ってことで書いてみる。 参考までに資料的なアレ。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1yyYNtSJ3arsWSMr2s8y0YHxkTb_m8QioWdenp8P6qD8/edit#gid=0 前回の記事での最終更新以降に追加したものは色ついてます。 そんな訳で、2020年は実質コロナ一色でその影響は当然東

          2020年の東方ポストロックについて

          2020年に聴いて良かったな、と思ったアルバムを書いてみる

          まぁ1年終わるので、今年買って聴いたものの中で良かったアルバムを書き出してみる。 あくまで「今年買った」であって「今年リリースされた」作品ではないので注意。 Tides From Nebula/From Voodoo To Zen https://tidesfromnebulaofficial.bandcamp.com/album/from-voodoo-to-zen ポーランドのバンドで1stアルバムが2009年なんでかなりのベテランさん。所謂轟音ポストロックになるのだ

          2020年に聴いて良かったな、と思ったアルバムを書いてみる

          ・「Looks」/Reset All Controllers 感想

          東方アレンジでは同人という目線で考えればジャンルの息が長いことから、多種多様なジャンルの音楽を楽しむことができることが魅力の一つだが、時期や情勢等でどうしても少数派となってしまうジャンルもある。 その中の一つに「打ち込みロック」というものがあり、文字通り全てのパートを打ち込みで制作するロックなのだが、自宅での録音環境の進化であったり、バンド形態でのサークルの増加といった流れから、ここをメインジャンルとするサークルは今はそれほど多くはない。 今回は、そんなジャンルの中で特に活発

          ・「Looks」/Reset All Controllers 感想

          新型コロナによるイベント規制下における札幌での同人誌即売会について色々考えてみた話

          大体今年の3月から6月ぐらいまで某新型コロナ的なあれやこれやで同人誌即売会というものも軒並み中止・延期になるという相当に大変な事態になっているのですが、7月からいくつか開催の事例も出てきて、いよいよ今の時勢に合わせた開催というものを模索していくところに来たのかもなぁ、なんてことを思ったりもしたので、自分の地元である札幌においてはどのような可能性があるのかを色々調べてみた。 結論としては、あまり明るい話にはならない、とだけは断っておく。 さて、まずはここ2年程度札幌での同人誌

          新型コロナによるイベント規制下における札幌での同人誌即売会について色々考えてみた話

          「永遠から始まる物語」/カワテ☆ブクロ をレビューしてみた

          東方アレンジの面白い点の一つに二次創作としては息の長いジャンルであることから長く活動している方が、新たな挑戦として活動形態や音楽性を刷新・拡張することがあると思うのだが、今回取り上げるカワテ☆ブクロはまさにそういうサークルだろう。 カワテ☆ブクロはAs/Hi Soundworksの柊秀雪氏が中心となり2017年に新たに立ち上げられた主にポップス寄りのツインヴォーカル・ハードロックを制作する同人ロックバンドである。 As/Hi Soundworksでは客演という形でこのサーク

          「永遠から始まる物語」/カワテ☆ブクロ をレビューしてみた

          「ARIAKE」梶迫小道具店 レビューしてみた。

          東方我楽多叢誌さんで東方アレンジのレビュー企画をやってらして、それにいくつかレビューの様な怪文書をお送りさせていただいたのですが、大量のレビューが集まった関係で全文掲載という形にならなかったので、こりゃ自分のnote更新のネタに使えるな!ってことで今回そのレビューを全文自分で公開しましょうか、という話です。以下、本文。 東方アレンジにおいてクラブミュージックというのは一大勢力であり、ジャンル毎の隆盛や移り変わりが特に激しい世界だが、そんな場において他に比較できるようなものが

          「ARIAKE」梶迫小道具店 レビューしてみた。

          データで見る東方ポストロック ※5/2追記あり

          東方アレンジという同人音楽においては最も長く規模も最大といえる二次創作ジャンルではスタンダードなものからニッチなものまで多種多様な音楽ジャンルがごった煮で存在していて、とても面白いのだが、個人的な趣味からポストロックアレンジの作品はどの程度あるのだろうか? なんてことを思ったので、追える範囲でデータを取ってみた。 さて、まずは見た方が言いたいことは分かるので釈明というか。 あれが入ってない、とか、これポストロックじゃないだろ、とかごもっともだと思います。 できるだけソースに

          データで見る東方ポストロック ※5/2追記あり