「植物園整備検討に係る有識者懇話会」を傍聴
表題の懇話会の市民傍聴募集が10名限定であったので申し込み、そうしたら席が当たったので11月16日に会場のルビノ堀川まで行ってきました。
現在、京都府主催で、「植物園整備」と「資料館跡地利用」、そして今回私が参加した「共同体育館整備に係る意見聴取会議」の3つの懇話会が定期開催されているようです。
共同体育館というのは、京都府立大学の体育館を1万人規模のアリーナに建て替え、プロスポーツの大会を開催したり、府民が活用できるようにするという計画で、地元住民はじめ多くの市民、そして府立大学の学生さんな中でも「そんなもの要りません」と反対の意見が出ているものです。
最初に入り口で注意事項を書いた紙を渡されました。
傍聴人は私語、談話、拍手、批評、賛否の表明もできない、つまり黙っていなくてはいけない、また会議の中で緊急的に公開できない事項を取り扱う場合は途中でも会議を非公開にする、など書いてあるのでした。
(主権者なのにねえ)
この有識者懇話会のメンバーの皆さんは京都府のHPで公開されています。
任期は任令 和 4 年 8 月 1 0 日 から令 和 5 年 8 月 9 日だそうです。
以下の8名の方がメンバーで★印の上林さんが座長としてこの日も司会進行をされました。
どんな方なのかな?というのは、みなさん検索されてみてくださいね。
<共 同 体 育 館 整 備 に 係 る 意 見 聴 取 会 議 委 員 名 簿 >
・阿 南 雅 哉 株式会社京都銀行 参与
★上林 功 追手門学院大学 社会学部 准教授
株式会社スポーツファシリティ研究所 代表取締役
・小国 久美 京都女性スポーツの会 副会長
京都府バドミントン協会 理事長
・金 山 千広 立命館大学 産業社会学部 教授
・木村 朝子 立命館大学 情報理工学部 教授 ・
・越 山 健治 関西大学 社会安全学部 教授 ・
・田中 勇伍 公益財団法人地球環境戦略研究機関 研究員 ・
・塚 本 康 浩 京都府立大学 学長
冒頭、府の担当職員さんより、資料をもとに説明がありました。
以下↓
●地元自治会6学区、幼稚園・保育園等15園、福祉施設等10施設、小学校・中学校・高等学校等10校に意見を聞き、幼稚園保護者ワークショップなど開催(ここで児童・生徒の意見を聞かれたのかどうかは不明)
●意見交換した結果のコメント紹介→「府民全体の健康増進を目的とした体育館になってほしい」「地域の人も使えるとありがたい」「植物園を削らずに作るならアリーナもできると良い」など、概ね歓迎ムードなコメントが多い。
●京都は公共体育館の整備状況が全国38位で、大きなスポーツ大会を開催できる施設が無い、などの報告。
●求められる機能と整備運営に関する基本的な考え方として「大学体育館としての利用」「大学の教育・研究機能の向上」「大学スポーツ等の拠点形成」「周辺環境との調和と地域住民の利便性の向上」「誰もが使いやすい体育館」が語られる。
●府立大学の授業や部活で使用される時間等の資料。
●事業手法としてPPP/PFIを参考として紹介。
以上のような府の状況説明の後、委員の皆さんがそれぞれご専門に即して一人ずつ問題意識などを話されました。
以下↓
「市の北部には体育館が少ない。子どもたちのためにも地域振興のためにも体育館は必要。猛諸対策として冷房完備の体育館が必要」
「インクルージョンの視点で、障がいがあってもなくても利用しやすい、多様性を具現化した体育館とはどんなものか?武蔵野の森など見学に行くのはどうか」
「府の皆さんが『聞きに行かないと意見を言わない方たち』の意見を聞きに行かれているのは有意義。体育館は避難所としての機能も果たせると良い。日頃、地域の人も利用していたらどこに何があるのかもわかりやすい」
「研究の場としての役割を担うという意味では府立大の先生方の意見を聞くべき」
「大学生のための施設なら1万人のアリーナは違和感」
「公共的なサービスを公共負担でやるなら建設的」
「環境面でいうと気候危機に対する世界の潮流はこれまでと違う次元の取り組みが必要という段階。金融機関も環境問題に取り組まない企業やプロジェクトにはお金を出さなくなってきている。公共の施設として将来世代に対して負荷をかけない、価値ある施設にする必要がある。具体的には横浜市の太陽光パネル蓄電池施設など参考になるのでは」
「防災の観点からいうと、地震時も水害時も避難場所としては選ばない立地」
「地下にエネルギーインフラを作るのはNG。浸水するだろう」
「避難所機能として考えるなら通信機器が使える場所に。非常用電源や水の備蓄などか」
「街中という立地がプロフィットセンターになるのではないか」
「街中共生をイメージし、学・官・民が連携すべき」
「学生、教員、地域の意見を聞く」
各委員の意見が一通り出たところでディスカッションでしたが、ディスカッションの段ではなぜか「避難所機能」に話が偏っていて、「あれ?これ避難所の意見聴取会やっけ?」と思ったりました。
印象的だったのは、京都府立大学の塚本学長の発言です。
学内で出ている意見として話されていましたが、
「反対意見はつきもの」
「話し合いばかりしていても実現するのか?やるのかやらないのか?」
「できるだけ早く進めてほしい」
「変わっていくものだ、変化はつきものだということを学生に教えるのも教育」ともっぱら、すっかり推進派でした。
最後の方にまだ府の方に「スケジュールは出ますか?」と聞いておられた。
府の担当の方が「より多くの声を聞く時期だと思っているので具体的なスケジュールはまだ」と返答されていました。
全体として、「アリーナが必要か不要か」という議論でなく「アリーナを作るとしたらどんなのがいいか?」な話になっていて、違和感でした。
府の担当の方は「アリーナを作る話ではなくて、まちづくりだと思っている」とおっしゃっていましたが、植物園整備と資料館跡地活用と体育館を分けて懇話会をしているのは残念と思いました。
まずは全体のまちづくりをどうするか、グランドデザインを作っていくために、もっともっと地元住民(大人も子どもも)の声を聞く工夫をしてもらいたいものです。
専門家の方々の意見はなるほどな、と思うところもたくさんでした。
だからこそ、府民が描いたグランドデザインに沿って、なるほどなアドバイスをもらえたら素晴らしいと思う。
私は、「あれ、これって避難所の話ですか?」とか「えーそれって誰の意見ですか?」とか色々突っ込んだり聞いてみたくて、何回も「はい!」って手をあげそうになりました。しかし傍聴者は意見が言えないのでした。
府民も傍聴でなく意見言いたいですよね。
しかもルビノ堀川・平安の間は広いので傍聴、あと20名は余裕で入れるのにな、と思いました。
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