九代目春風亭柳枝 真打昇進襲名披露公演(落語鑑賞覚書)
めぐろパーシモンホール
口上 一之輔 正朝 柳枝 談春 さだまさし
鮑のし 一之輔
ん廻し 正朝
歌とトーク さだまさし
中入り
山号寺号 談春
子は鎹 柳枝
(敬称略)
これまでも何回か、柳枝師匠の披露公演に伺わせていただきましたが、今回が集大成というか、
これ。ほぼ歌舞伎座じゃね?1000人規模のホールで、しかも2階席で落語を聴く事は初めてなので興味しんしんです。
入口には柳枝の提灯があったり
物販コーナーがあったり。
もうフェスですわ。柳枝フェス。
来場者全員には、プログラム・記念冊子・記念手拭いを。記念冊子は著名人の口上書きと、これまでの柳枝師匠の歩みと、歴代柳枝の解説とで盛りだくさん。
番組の最初は口上から。まー、隅っこに座ってたさだまさしさんが喋る喋る(笑)生で拝見するのは初めてですが、話が面白いけど長いタイプだわ。この時点で10分押しだそうです。口上の最後に撮影タイム。
一席目は一之輔師匠。鮑のしはお目出度い、面白い、短いの三拍子揃った鉄板ですね。町内から冷遇される甚兵衛さん…。正朝師匠のん廻しも好きだー。特にん廻しに入る前、前半の隠し芸大会と、常に積極的に参加するロクちゃんはほんとくだらなくて最高です。
前半最後はさだまさしさん。この人、ほんとに根っからの落語好き(やや狂気を感じるくらいの)落語ファン。まさか開口一番、「品川の新宿に白木屋という店がありまして…」と、来るかと思わなかった(笑)でありながら歌は確かなもの。ギター1本とマイクだけなのに、ホール全体にビンビンに音を響かせる。正直、2階席だと落語との臨場感がまるで違う。トークでは「立川談志は化け物」とおっしゃってましたが、この人はこの人で化け物や。鳥肌が立った。
なのでつい、仲入りで浅田飴ならぬ「あ、さだ飴」を買ってしまった。まんまと。ちなみに曲はBirthday、案山子、いのちの理由の三曲でした(詳しい人に教えて貰いました 笑)
仲入り後は談春師匠。この人も生で拝見するのは初めて。さださんの引率(話が長くなりすぎた時のツッコミ役)で来られたとの事で、自身の出番にはへとへとになってました。ネタは山号寺号。お弟子さんのこはるさんもそうですが、談志一門の方々が持つ独特の愛嬌と、リズム感が堪らないです。
トリの柳枝師匠は子別れのダイジェストからの子は鎹。正太郎さんの頃から達者な人でしたが、益々こう言うじっくり聴かせる噺が似合ってきました。所々に工夫が見られましたが、特に亀ちゃんとの再会を偶然ではなく必然にする演出が、いろんな人に愛されてきた柳枝師匠ならではでしょうか。
この度はおめでとうございます。