お悩み相談室のうらがわ053(ルパン三世カリオストロの城)
あの名作が、
全国の映画館でリバイバル上映しています。
前回の初映画で気をよくしていた娘を誘います。
「コナンがいいんだけどな…」とあまり乗り気ではない様子でしたが、
(そりゃあ、未来少年コナンなら私もやぶさかではないけれど)
数日前からルパンとその一味についての軽い説明をしつつ、
「お父さんも、映画館で観たことはない」
「絶対おもしろい!」
などとなだめすかし、
朝いちで映画館に乗り込みました。
残念ながら物販は初日で全て売り切れ…まあ、仕方ないね。
映画前半、カーチェイスはあるものの、
途中からはルパンと次元の会話もなく、
音楽と風景で、今回の舞台を表現します。
短い時間に、多くの刺激を詰め込む最近の動画とは手法が明らかに異なります。
映画後の娘の絵で、振り返りましょう。
ルパンは、運転がとびきりうまいです。
タバコもカップ麺も大好きです。
セリフがくさいのが玉にキズ。
次元大介は、ピンチの場面で「おもしろくなってきやがった!」と言います。
マグナムが効かないと、嬉しそうにもっと強い武器を出してきます。
いい相棒です。
タバコのポイ捨てはだめです。
銭形警部は、仕事熱心です。
昭和一桁生まれらしいです。
ちいさい声で話せないようです。
とても大事な役どころです。
特に、男たちが役に立たなくなる後半、
不二子のおかげで、それぞれがんばる気持ちになれました。
五エ門は、
無口だけれど、本当はみんなと一緒にいたいんだと思います。
なお娘は、
伯爵の数々の言動に対し「人間じゃない!」と憤っておりました。
今回、映画館でカリオストロの城を見られて良かった。
北の塔のクラリスの部屋に、
ルパンが忍び込む場面。
見ている側も身体に力が入りっぱなしの、
例の大ジャンプのシーンから、
すっと、部屋の中にいるクラリスの横顔に場面が移ります。
月明かりが雲にさえぎられ、
横顔が暗くなる、と、
髪が揺れてどこからか部屋に風が入ります。
ふりかえり、何もない。
上を見ると、天窓が丸くあいていて、そこから蜘蛛の糸のようにロープが垂れている。
そのロープに沿って画面がうつり、人影。
どなた?
影は歩み寄り、月明かりにルパンの顔が現れます。そして、音楽。
この、閉じ込められた北の塔、
クラリスは脱出の際、内側から椅子で窓を割ろうとしますが、だめ。不二子の手榴弾でも壊せません。
この塔の造りそのものが、
クラリスの心の隠喩なのかもしれないなぁと、
初めて思えた一日でした。