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七曜212号の14首
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たんぽぽ
うっかり
Nationalの電子レンジも色褪せて一人暮らしのあたためボタン
観葉植物の土の乾きに気付くころ風邪もようやく完治の兆し
髪型も食べたいものも決まらない降水確率四十%
夕食後の白い食器は照らされて拷問のごと洗われている
証明写真のためのスーツでなんとなく近所をうろうろしてみたりもす
嘘っぽい志望動機へ並び居る面接官の二月の眼
大会議室の時折揺れるブラインド春の光が入りたそうに
振戦が収まらなくて書く文字のより下手になる四月の我が名
エンターキー静かに押しているならばドアを静かに閉める人なり
経済力を求められても無いのだしたんぽぽなぞを探し求める
美しいたんぽぽ一つ記憶する延々続く道の途中の
楠も好きでうっとり見てしまう欅が作る木陰の中で
たんぽぽが花屋にあれば買い占めて逃がしてあげるつもりでいるが
道もあり電線もありたんぽぽの絮の行方に不安など無し
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