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ガマガエル、人間として生きる
ここ数年、自分を解放しようと思い続けてきた。
きっかけは3年前に受けた、
山田ズーニーさんの
文章講座 「 想いを表現する 」だった。
私はその頃、編集ライターという講座に
週に一度通っていて、
四国から大阪に嫁ぎ、夫以外誰にも
話したことがない過去を見ず知らずに近い
受講生たちの前で話した。
私は、小学校から18歳くらいまで
引きこもりでした。
人と会うのも自信がないし
自分のこともキライ。
ベッドに寝て、天井ばかり見て
過ごしていました。
「 ハンブン、植物 」
階下からばあちゃんが
「 なつこ〜! 今日も学校行かんのんか?! 」と
話しかけてくる声にドキドキしていました。
人生の転機は短大のデザイン学科に
通うようになってからです。
昔から絵を描くことが好きでした。
友達もでき絵を描いたり
みんなで何かをする喜びを知りました。
「 生きてるだけで、まるもうけ 」
この言葉がいつも心にあります。
いま私は植物ではなく
人間として生きています。
声はうわずりあふれる涙はとめどなく。
だけど話し終わると驚くほどすっきり。
ズーニーさんの講座のおかげで、
解放する勇気と喜びを知った。
当日、仲のいい上司に
読んだ文章をラインで送ってみた。
「 なっちゃん、いいやん 」といってくれ
心からうれしかった。
3年経ち、なかなか職場では
告白できないでいたけれど、
つい先日朝のスピーチで
とうとう話すことができた。
今回もあふれる涙は流し放題で、
緊張とおそれと恥ずかしさで色々ごちゃまぜ!
ガマガエルのような気分になった。
けれどやっぱり話し終わると、
とっても清々しい気持ちに包まれた。
キラキラ流れる川の岩で涼んでいるごとく。
数日、懸念したが周りの仲間の対応は
いつもと変わらず安堵した。
人生のピークは過ぎたけれど、
人間として本気で生きていこうと
腹をくくった私、ここにいます。