見出し画像

売上19%向上!カウシェレコメンド開発の裏側

こんにちは、カウシェでレコメンド開発を担当している goro です。この記事では、スタートアップならではのデータ活用とML開発の面白さを伝えるべく、カウシェのレコメンド機能の成果、リリースまでのプロセス、そしてその背景にある戦略についてお話しします。


2ヶ月で公開→売上19%改善

2024年9月7日から11月3日までの約2ヶ月で、商品レコメンデーションシステムをアプリホーム画面にリリースしました。その結果、ユーザー体験に大きな変化をもたらし、以下のような成果が得られました。

UIイメージ

1. 約19%の売上向上

新しいレコメンドフィードの導入により、アクティブユーザーあたりのGMV(総流通額)が約19%上昇しました。CTR(クリック率)とCVR(購入率)の改善がこの結果に大きく寄与しています。

ABテスト結果推移(+改修履歴)

2. より多くの商品が閲覧されるようになった

よりユーザー個々に適した商品が掲出され、1ユーザーあたりの閲覧商品数が約10%(0.3件)増加しました。これにより、埋もれていた新商品やニッチな商品もより多く販売機会を得られ、出店事業者の利益率改善につながるため、よりお得な商品が出品されることが期待されます

短期間で成果に繋がった3つの理由

短期間でのリリース成功には、いくつかの理由があります。

1. 堅牢なパイプラインの存在:

迅速かつ信頼性の高い開発を可能にする、レコメンドパイプラインが存在したことが理由の一つ目です。この基盤があったことで、モデルのデプロイや改良がスムーズに行えました。

以前にもカウシェはレコメンデーションシステムの開発を行ったことがあり、当時開発を担当頂いた tatsuya-san が構築したパイプライン・開発環境を再利用することができました(詳しくは こちら ) tatsuya-san は既に退職されましたが、先日改めて感謝をお伝えすることができました(涙)

2. A/Bテストで爆速PDCA:

既存フィードと比較するABテストを行いました( Firebase A/B Testing 利用)2ヶ月で計23回の改修と明確な数値化の結果、早期のリリースに繋がったと考えています。

実際のリリースにあたって、商品掲載業務などを大きく変更する必要があり、全社的な協力をお願いしました。そんな時に、不明瞭な結果(Pre/Post比較など)でなく、精緻で明確な情報を元に意思決定を行えたことは良かったと思っています。

3. 事業戦略のコアとして位置付け:

レコメンデーションシステムを事業戦略の中核に位置付けたことが、多大な影響を伴う開発の推進力となりました。

Amazonや楽天市場に代表される検索をベースとしたECサイトでは捉えきれない、潜在的なお買い物需要にリーチし、カウシェが「楽しいお買い物の場」を提供していくため、以下の観点でレコメンド開発が必要であることを明確にし、開発に臨みました。

  • ふらっと寄れる商品棚:具体的な検索クエリは必要なく、アプリに来るだけで「見たい・欲しい」と思える商品を並べる

  • 出店事業者とユーザーを繋げる:良い商品をお客様に届け、出店事業者の本質的な改善活動を引き出す

  • スケーラビリティ:人的運用に依存しない持続可能な事業成長

これらの明確な目的意識が、迅速な意思決定と効果的なプロジェクト推進を支えました。


レコメンド開発を加速させる仲間を募集中!

カウシェでは、新しいECづくりに直結する刺激的な開発環境を提供します。このような環境に興味がある方は、ぜひカウシェにジョインしてください!

いいなと思ったら応援しよう!