美女ありき
ヴィヴィアン・リーが美貌で成り上がり、その美貌の衰えの末惨めな最期を遂げる主人公を演じた映画。ヴィヴィの写真を初めて見たのはいつだったか。40代で過労死した叔父さんを偲んで話していた父が、叔父さんはヴィヴィアン・リーの哀愁が好きだったなあ、と言っていたのが最初の印象かも。微妙な翻訳の風と共に去りぬを読んで、次にテレビで映画を見たはず。ヴィヴィはスカーレット役にしては大人すぎるし美人すぎる、と思ったけど、印象的だった。
何をうつくしい、と思うかはひとそれぞれ。古い女優の写真でうつくしい、と子供のわたしが思ったのはヴィヴィぐらいだ。オードリーもマリリンも、妙な化粧だな?と感じていた。
日本人女優?わたしはカナダ育ちでもあり、雑誌やテレビに興味がなかったのです。でもカナダに取り寄せられた子供雑誌に載っていた、薬師丸ひろ子の写真一枚に、中性的な、不思議な魅力のある顔だなあ、と惹きつけられ、随分長いこと大切にしてた。でも、映画が見たいとか全然思わなかったわ。そして、ある日突然好きじゃなくなって、写真もどこかに行ってしまった。その後、沢口靖子や伊藤美咲の写真を見て、美人!と思ったけど、写真が欲しいとは思わなかったし、ドラマを見ようとも思わなかった。最近久しぶりに今の伊藤美咲の写真を見て、全く心が動かなくてちょっとびっくりした。ふとネットで昔の写真もチェックしてみたけど、これまたなんとも思えなくて、不思議。
ヴィヴィアンの写真には、今だ見るたびにに何故か心を掴まれる。そして映像の中のヴィヴィにも、何かざわめかされる。美女ありき、その儚さ。
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