コーンロウ、キャラメル、OZ
日本で髪をコーンロウ(編み込みの一種だよね)にしたら学校ともめた、という話が目に入って、ほほう?ミックスだから、と主張すればOKでもないのか、と少しびっくり。
最近、ポッドキャストだったか、アメリカの黒人のコメディアンとコメディの脚本家(と少し違うんだけどまあいいや)、年代も性別も違う4人が喧々囂々と、なぜコーンロウがだめでフレンチブレイドはOKなのか、両者の差は編み込みの方向だけで、イメージが前者が黒人後者が白人だがそのせいなのか、と盛り上がっていたのを聞いていたので。日本ではまた違うだろうしね。
中学時代自分はカナダに居て。同学年に、すごく可愛い日本人と白人のミックスの子が転校してきて。彼女の名前はキャンディ。日本語はまったく出来なくて。小柄で丸顔で切れ長の目で消え鼻におちょぼ口、でも髪の毛の色がきれいなキャラメル色で、肌はクリーム色、カラコンもない時代、細いけど虹彩の部分が広い目の色も紅茶色で。ちょっと鼻にかかった声も可愛くてモテモテだった中、アフリカからの移民で、多分みんなより年上な、黒人のボーイフレンドが出来て。彼女、きれいなウエーブの光るキャラメル色の髪を、細かいコーンロウにしちゃったんだよね。頭が丸く、髪が細くて量も少なく、地肌が白い彼女にコーンロウは全然似合ってなくて。文化の盗用だ!とかいう話にはなってなかった。でも影で、せっかくの美人が台無し、って言われてた。
あとコーンロウといえば、アメリカ刑務所物のはしりかな、「OZ」っていう男性凶悪犯収容所を描いたドラマの中で、印象的な場面があった。強く賢くて美しい凶悪犯の青年、とにかくけんかが強く支配力があるので、投獄されてすぐ黒人囚人グループのトップになる。この若い親分のコーンロウを献身的に整えるのが、刑務所内での彼の「メス犬」というか、手下というか。この親分の髪を編んであげている場面がなんとも色っぽいというか象徴的というか。この若い親分は凶悪なのだけど若い分心が柔らかい部分があったのか、刑務所で出会った年上のブラックムスリムの指導者に感化されて改心するのだが、ここは凶悪犯収容所。残忍さをむき出さなくなった若者は誰よりもけんかが強かったゆえに対立グループの罠にはめられて命を落とす。若さの強さ残忍さ弱さを鮮やかに演じきった役者さん、すごかった。見事なコーンロウのギャングスタイルから、たしか最後はぼさぼさのナチュラルアフロじゃなかったかな。
髪型に、物語あり。
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