大人と子ども
僕たちは家にあるバーベキューセットをそれぞれかき集め、河川敷へバーベキューに来ていた。
炭で火を起こし、みんなで肉を焼く。
「俺たちも大人になったなぁ」なんて呟いてみた。
少し前までバーベキューといえば、必ずそばには親がいて、お皿に入れてくれる肉をただ頬張るのが僕らのバーベキューだった。
しかし、気がつけば自分たちの道具を持ち寄り、車で買い物をして、自分たちで肉を焼くようになっていた。少し誇らしかった。
ふと横を見ると、ちびっ子たちが服を着たまま、ジャブジャブと肩まで川に浸かり遊んでいた。
それを見て羨ましくなった僕は、靴を脱いで川に入ることにした。
「あぁ気持ちいわぁ」なんて言いながら、足元の苔で滑らないように慎重に歩く。
ふと我にかえると、ズボンが濡れないように両手で捲り上げ、僕の服は一滴たりとも濡れていなかった。
「あぁ大人になったなぁ」と少し寂しくなった。
おかげさまでいつも楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします。