写真が過去の僕と現在の僕を同一人物だと証明してくれる。
僕は小学四年生から高校卒業までの八年間、野球をしていた。僕の青春の八割は野球に注ぎ込んだと言っても過言ではないと思う。さすがに全てを注ぎ込んだ、なんて厚かましいことは言えない。恋愛もしたし、学生ライフもたくさん楽しんだ。
しかし、僕の青春のほとんどを注いだにも関わらず、最近ふと「あの野球をしていた自分は今の自分と同じ人物なのか」と思うことがある。だんだんと僕の頭のメモリーチップから削除されていくように、記憶が消されていく。あれだけ悩んで、苦しんで、嫌な思い出がいっぱいある野球人生だったのに、今ではまるで何もなかったかのように次の新しい目標に向かっている自分がいる。
それでも携帯に保存されている写真を見返すと、丸坊主でユニフォームを着ている自分がいる。確かに今の僕は、昔野球をしていたのだ。
記憶というものはすごく曖昧で、自分の思い込み一つで記憶を変えてしまうこともできる。だから、たまに過去の記憶と現在を繋げてくれるものが必要なのだ。
写真はそのうちの一つだ。写真を見ただけで、過去の自分と現在の自分が同一人物だなんて証明できる証拠はない。しかし、確かに過去の記憶と現在が自分の頭のどこかで繋がるのだ。
そうか、やっぱり僕は野球をしていたのか。今何かが一つ僕の中で繋がった気がした。
おかげさまでいつも楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします。