お葬式は人生でいちばん幸せな”とき”なのかもしれない。
先日、祖母のお葬式に行ってきた。
祖母は宮崎県の田舎町で暮らしていた。
小学生頃までは、毎年夏休みになると、兄とふたりで飛行機に乗り、祖母に会いに行った。しかし、だんだんと大きくなるにつれ、会いに行く回数も減っていき、僕が最後に会ったのは大学2年生の夏休みだった。4年前だ。
昔、もうひとりの父方の祖母に、歳をとったらどんなことが生き甲斐になってくるの?と聞いたことがある。
すると、祖母は「孫の顔を見ることかなぁ」と言っていた。
僕は、お葬式に向かう、行きの飛行機で上から街を見下ろしながら、ぼんやりと亡くなった祖母のことを考えていた。
幸せな人生だったかなぁ、と。
僕はいちばん前の席で、他人の唱えるお経を聞いていた。
隣で祖母の旦那さんが涙を流している。後ろからは鼻を啜る音が聞こえる。
きっと皆が、今、祖母との想い出を、それぞれ想い出しているのだろう。
そう思うと、今この時間は祖母にとってすごく幸せな時間なのではないだろうか。人生の中で、多くの人が、同じ時間に、ひとりの人を想うことなどそうそうないのだから。
ばあばよかったなぁ。幸せやなぁ。と、安らかに眠っている祖母に語りかけてみた。
「ばあば元気が出たがぁ!嬉しい!ありがとねぇ」と、きっといつもみたいに言っているのだろう。
お葬式は人生でいちばん幸せな”とき”なのかもしれない。
そんなことを感じたお葬式だった。
おかげさまでいつも楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします。