義母(ハハ)と嫁(ワタシ)の冬ごもり*2
今朝も、雪が積もっていた。
車を出せるように、一人でもくもくと雪片付け。
「雪はき」などというなまっちょろい言葉は
私が生まれ育った雪国にはなかったが
現在住んでいるこの辺りは、言うてもそんなには降らないので
そこまで大変なことはない。
湿った重たい雪を、雪かき用のプラスティックのスコップで
「こんにゃろ!こんにゃろ!」と心で叫びながら
何度も道端に押して行く。
けっして雪かきが大変なのではなく、
「心に溜まったもの」を吐き出す感じ。
(気楽に暮らしていたら、こんな掛け声はないはずだけど)
それでも、家の中と外、
ハハと距離を保って存在していると自覚できる時間は
私にとって嬉しい気がする。
この頃、朝起きて暖房をつけ、部屋が温まるまでの間に
背中を丸めてもぐりこむこたつで観ている
10人のお坊さんの説法。
いつの間にかこたつを出て、正座で聞いている。
生きる意味が見いだせない、というお悩みに
生きる価値なんて考えなくても良いのだというお坊様あり、
また
人は誰しも、何かしら生きている意味があるのだと言うお坊様も。
ふと、考えた。
毎日退屈そうに新聞を隅から隅まで読み、
たった一つの仕事である編み物も、
えぅ、えっ、と息を大きくつきながら、苦行のように挑んでいるハハ。
楽しいと思えているのなら何も言わないが
そんなに苦痛を伴ってまで編まなくてもいいのでは、と思う。
このハハに、何か楽しいことはないものか。
ワタシが話し相手になっていろんなおしゃべりをしてあげたり
車に乗せていろんなところへ連れて行ってあげられれば良いが
ワタシにはやらなければならばいこと、やりたいこともたくさんあるし?
10時と3時にコーヒーを出し、三度の食事とお風呂を用意する、くらいしか
してあげてないような気がする・・・。
もちろん、まったく話さないわけではない。
しかしハハもワタシもどちらかというと会話の糸口を探すのが苦手な方で
一緒にこたつに入っているほとんどの時間は
ただひたすらに編み物をしたり読書をしたり
時間だけが静かに過ぎて行く。
・・・沈黙も苦痛だが、すべはない。
やることもなく、時間をつぶすだけに見えるハハの今の毎日に
生きる意味があるのか?
あるとしたらなんだろう。
・・・・・。
あっ!!
グウタラなワタシを成長させること、に他ならないのでは?
ハハと暮らし始めてからの私の家事は、
今までに比べたら、それはそれは出来ている。
友人らが見たら、完璧!って言うだろう(笑)
それがつらい、と言えなくもない毎日だけど
人として、悪いことではない。
きっと神様は、ワタシを主婦として人間として
成長させるために、ハハを長生きさせてくれているに違いない。
・・・次回に続く。
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