見出し画像

白樺林のタペストリー


何年か前、私が中3のときの担任が私の母校で校長先生になっていることに気づきました。とても懐かしくなって、いろんな先生どうしてるかなと思い調べているとショックな事がありました。

中1の担任の先生が亡くなっていました。もう15年くらい前のことになるようです。とても思い出深い先生だったので、どの先生の訃報よりショックでした。

あまりにも自分の思いに整理がつかず、その先生のイメージで白樺林をステッチしました。先生は車の免許を持っていなくていつも自転車で通勤や家庭訪問をしていました。
二十歳くらいに一度偶然最寄りの駅で会ったことがあり、それが最後です。そのときに、私が何かアクションできたのではないかと悔やまれてなりません。

初めはコースターにしようと思っていたのですが、小さなタペストリーにしました。タペストリーの仕立てはすべてリネンでいつもとちがうやり方です。ハギレでやってしまったので最後ちょっと頭を使いました。横幅8cmの小さなタペストリーです。自分の慰めのためだけにステッチしました。

このゲルダさんの白樺林の図案は本当は自転車乗っているのは家族で、女の人もいるのですが、先生のイメージでママチャリ乗ってる男の人のみにしています。かなりイメージ通りです。刺している間に私も大分落ち着きました。こんな気持でステッチしたのははじめてでした。

自分の中でこのタペストリーを見ながら、頭にシューベルトの即興曲op90-3が流れることが多いです。この曲の歴史などはあまり知らないのですが、穏やかな美しい旋律の中に隠れている揺れ動く悲しみもあるような曲です。よかったら即興曲もきいてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?