AI時代だからこそ翻訳者・通訳者のセカンドキャリアとしてオンライン秘書の仕事を考えておくのは良い。
ともえ@コンシェルジュ型秘書です。
実は、これから半年、ある日本の伝統芸能のアーティストの方の海外向けオンラインレッスンのお手伝い(通訳)をすることになりました!
といっても、私は現場にはほぼ出ず(リスクヘッジのために自分が代打で入れる準備はします)、メンバーさんにお仕事を割り振ったり、裏方の調整と仕切りをしていく予定。
ところで私、英語・ドイツ語の知財翻訳(特許翻訳)の仕事もしていまして、たまに、
「オンライン秘書の時給よりも、翻訳の方が単価が高いでしょ?」
と言われたりします。
確かにそれは多くの場合はそうなのですが、オンライン秘書の仕事と、翻訳の仕事の大きな違いは、再委託可能かどうか(属人化しないかどうか)、事業全体の流れから切り分けられて代替されやすいかどうか、の2点で、正直この2点を考えると、完全にオンライン秘書の仕事の方が可能性が大きいと思っています。
※こそっと余談ですが、最近ではオンライン秘書の時給の方が通訳翻訳よりも高いことが多いです!!
っていうか、若くて体力があるか、1日10時間やっても飽きないくらい大好きか、どちらかの理由じゃないと翻訳通訳系のお仕事ってつらたんだと思います💦 頭脳労働のように思えますが、実際には体力勝負ですからね。
私自身、15年近くキャリアがありますが、年齢が上がるとともに、翻訳の仕事は1日4時間くらい(半日だけw)にしたいなと思うようになりました。
さらに言うと、本の翻訳とか、自分の名前と一緒に永遠に資産になる仕事と違って、日々私がやっているような産業翻訳の仕事は、完全に消耗品です。つまり積み上がらない資産にならない仕事の典型なんですね。
しかも今後は翻訳の仕事は「本当に自分が好きなライフワーク」の方に振り切っていきたいので、脳のリソースを空けるためにも、積み上がらない翻訳の仕事はもっと減らしていく予定です。
何しろ今はAI時代。
ロジカルシンキングが重要と言われているような法律や知財のジャンルではAIの活用はどんどん進んでいき、弁理士や弁護士など国家資格のある人がやる上流工程の仕事ではないパラリーガルや知財翻訳の仕事は単価が暴落するか減っていくと思います。
そういう時代背景を踏まえて、私はオンライン秘書の仕事に参入しました。
なぜかというと、オンライン秘書の仕事は、切り出された一部ではなく、ビジネスや事業の文脈全体を巻き取れる可能性があるからです。
しかも、オンライン秘書の仕事の中には、意思決定の領域に関わる上流側の仕事と、切り出された個々のタスク(ジョブ)と色々なバリエーションがあり、自分の質と状況に応じて、どちらの仕事も携われるということが魅力です。(たとえば、子育て中で責任を取れない場合はタスク系の仕事だけを請け負うとか、野心的になりたい場合はディレクターを目指すとか、どちらもいける。)
ちなみに、今回私が受託した海外向けオンラインレッスンの仕事でいうと、
・私は、主宰者側との交渉、通訳者さんの選定、アサイン、契約書や見積書の作成、日程調整などの裏方というか上流の部分を担当
・他のメンバーさんは、切り出されたタスク、つまりレッスンの通訳や動画の作成などを担当
といった形で、どちら側でも関われる可能性があるんですね。
そして、何なら仕事を営業して取ってくるところまでは自分がやって、そこから先はディレクターに委任したり、切り出されたタスクに関して他のオンライン秘書さんにアサインする=再委託できる=チーム化できる可能性もあります。
実際問題、翻訳や通訳の仕事が発生するときというのは、必ずある特定のビジネス的な文脈が存在しています。
これまでは、翻訳や通訳という仕事単体で請け負うことだけでも仕事が成立しやすかったと思いますが、今後、翻訳や通訳そのもの、つまり切り出されたタスク単体の価値はAIの進化発展によって低くなるでしょう。
一方で、ビジネス的な文脈全体の巻き取りや調整といった部分には、より一層「人」が関わる意義が出てくるように思います。
翻訳や通訳の仕事をしてきた私が、今オンライン秘書をやっている一番大きな理由は、「ビジネスの文脈全体を巻き取れる可能性があるから」です。
だって、依頼主が一番最初に相談する「窓口」になれたらいくらでも仕事の話ってありますから💕
私以上の年代になると、翻訳や通訳のキャリアが長い先輩たちとセカンドキャリアの話になります。皆さん異口同音に言うのが、産業翻訳や通訳は積み上がらない仕事だから、講師業になるか、あるいは生涯現役で同じ仕事を続けるか、あるいは全く違う業界に進出するか(物販とか?)という悩みです。
その観点から言うと、ちょうど今インバウンド需要もアウトバウンド需要もありますから、せっかく培った高い語学力を、少し土俵をずらしたところで活用したらいいじゃん、と私は思うんですね。
実際、その方が可能性が大きいし楽しいし、なんなら案件によってはオンライン秘書の方が単価も高いですから。
私は国内案件だけでほぼ手いっぱいであえて広げる気はありませんが、日本語ネイティブのvirtual assistantの需要は希少性とともにダダ上がりだし、英語力もそれほど必要ない(TOEIC800あれば十分)と聞きますので、語学力ある人は一度やってみるといいのではないかと思います。
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