Badugiの基本戦略
どうもこごろーです。
今回は要望があり、Badugiの基本戦略を書きます。
細かいルール説明は省いてしまいますので、ルールを知りたい方はネットで調べてみてください。
この記事はKen Lo氏著の"A Poker Player's Guide To Mixed Game"という本の内容を抜粋、翻訳、編集したものです。
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全文や細かい部分が気になる方は英語ですが買ってみて下さい。
とてもおすすめの本です。
※この記事は筆者のKen Lo氏に公開の許可を得ています。
かなり長いですので、お時間のある時に読むのをおすすめします。
でははじめます。
Badugiのスターティングハンドグループ
Tier1
4-high 5-high 6-high Badugis
432Ar 6532r etc
3-high, 4-high tris
32Ax 43Ax etc
Tier2
7-high, 8-high Badugis
7542r 865Ar etc
5-high tris
54Ax etc
Tier3
9-high, T-high, J-high Badugis
9765r J84Ar etc
6-high, 7-high tris
653x 742x
2-high, 3-high, 4-high, 5-high two-card hands
2Axx 42xx etc
Tier4
Q-high, K-high Badugis
QT6Ar KQT8r
8-high, 9-high tris
863x 952x etc
6-high, 7-high, 8-high two-card hands
Tier1 ハンドの解説
4-high, 5-high Pat Badugis
Tier1のハンドが配られるのは非常に稀です。
基本的にはアグレッションを高めて、プリドローなどなるべく早い段階でポットを大きくしましょう。
早い段階でポットを大きくすることで、相手がその後のストリートでこちらのバリューベットに対してコールしやすくなります。
このハンドは最後までアグレッシブにプレイし続ける事が出来ます。
また、このゲームでは基本的に最初に参加する場合はレイズで参加しましょう。弱いbadugiを持っている場合のエクイティを守る為にもなります。
3-high, 4-high tris
このゲームでは誰もbadugiを作れなかった場合、最も強いtriが勝ちます。
3-high,4-highのtriはまだ完成してないですが、どちらも非常に強力です。
badugiが最初に配られるのは稀とはいえ、最初から完成した弱〜中級badugiに対して充分なエクイティを確保できるのは大きな強みです。
特にマルチウェイで全員がドローした場合や弱いbadugi相手に対してはフェイバリットです。
プリドローで配られた段階でbadugiが完成している確率は6%です。しかもその半数以上はQ-high,K-highなどの弱いbadugiなのでそこに対してフェイバリットを取っているのはとても大きいです。
基本的に1stドローと2ndドロー前まではアグレッシブにプレイする事が推奨されます。しかしその後3rdドロー前に自分が進展せず、抵抗を受けた場合、特にHUの場合は注意が必要です。
また、進展しなかったこのハンドでショウダウンする事も視野に入れなくてはなりません。特にHUでSnow(パットブラフ。badugiが完成していない状態で、ドローラウンドでスタンドパットし、その後のベッティングラウンドでベット、レイズし相手をフォールドさせるブラフ)をしてくる相手にはある程度の頻度でキャッチしに行かなくてはなりません。
しかし、弱いプレイヤーがアグレッシブになったり、badugiが完成したという他の情報による確信がある場合は素直にフォールドした方が良いと思います。
Tier2 ハンドの解説
7-high, 8-high Pat Badugis
これらのハンドも十分な強さを持ちます。
もしこの中にwheelのカードも含まれている場合、相手のアウツをブロックしている可能性が高くなるため更に強くなります。
相手がドローしている場合、かなりのフェイバリットになっている可能性が高いです。しかし相手により強いbadugiを作られる可能性を高く見積もり、バリューを逃す人が多いです。注意しましょう。
ラフ(弱い)な8-high badugiでもかなりフェイバリットな場合が多いです。
例を見てみましょう。
8765 vs. 32A
ドローが1回の場合、90.9%のエクイティがあります。3回ドローが残っている場合でも74.6%のエクイティがあります。
これは8-high badugiに高いランクのカードが含まれているため、このような結果になっていますが、8-high badugiはスムース(強い)からラフ(弱い)まで30種類以上の形があります。(832A - 8765まで)
そのため、相手からの抵抗を受けた場合、相手の傾向を考慮しつつ立ち回ることが要求されます。
5-high tris
5-high tri も相当強いハンドに分類されます。特にマルチウェイになった場面ではドローハンドとしては十分強いハンドです。
プリドローではアグレッシブにレイズするのが基本ですが、タイトなプレイヤー、例えばTeir1級のハンドしかプレイしないようなプレイヤーを相手にする場合は注意が必要になります。
このハンドはブラフキャッチャーとしても優秀なので、Snow(パットブラフ)を行ってくる相手に対しても最後まで有効に扱うことができます。
Tier3 ハンドの解説
9-high, T-high, J-high Pat Badugis
これらのハンドは見た目はそこまで強くないかもしれませんが、プリドローの段階で配られる可能性のあるbadugiでは上位50%は超えています。自分よりも弱いpat badugiを倒せる可能性があるのは価値がありますね。
以下プリドローで配られる可能性のあるbadugiとその確率を記載しておきます。
もし相手がプリドローから8-highよりも良い形でbadugiを1枚ドローで作りに参加している場合、50%の確率でTier3のbadugiは引かれ負けます。HUであればTier1のドローにもフリップですが、マルチウェイになると途端に苦しくなります。
レイトポジションからオープンする場合は評価を上げてもいいと思いますが、アーリーポジションからプレイする場合は注意をしましょう。
例を見てみましょう。
JT98 vs. 32A
ラフなJ-high pat badugiでもドロー1回に関しては84.1%のエクイティがあります、しかし3回ドローするとそのエクイティは58.7%まで下がってしまいます。
ストリートの途中で8-high, 7-high badugi以上が完成するとレイズしてくるプレイヤーも居ます。そのような相手にはフォールドするのが普通になりそうです。
多くのプレイヤーが直面する場面としてスムースな9-high badugiを持っている状態でその9を崩すのかどうかという点です。
例えばプリドローで943Aを持っているとしましょう。
943AはTier3に分類されますが、43AはTier1に分類されます。
だったら9を捨ててTier1ハンドにすれば良いじゃないか!と思うかもしれませんが、これは間違いです。
9を捨てて進展するのは2,5,6,7,8の5種類ですが、正確に言えば特定スートのものなのでたった5枚ということになります。
そして9を捨てた以上、9が戻ってくることはありません。
badugiの進展を甘く見積もっている人が多いですが、基本的にbadugiを崩すのは悪手になる事が多いです。
2-7などスートの指定が殆ど無いゲームではそのような場面もあるでしょうが、badugiはそうではないという事を覚えておきましょう。
6-high, 7-high tris
よく見かける形のtriです。
wheel近くに進展することの出来ない点で劣りますがHUでは十分プレイアブルだと考えていいでしょう。しかしマルチウェイではマージナルなハンドになりやすいため、ルースなテーブルではアーリーポジションからの参加は控えた方がいいかもしれません。
しかしスムースなtriの場合(73A,62Aなど)の場合はより良い形のtriに進展する可能性もありますので、Tier2に分類しても良いくらいの強さがあります。
それでも通常はタイトなブラインドに対してレイトポジションからスチールを行ったり、ルースなオリジナルレイザー(1stドローラウンドで2枚ドローが多いプレイヤー)相手にコールできるくらいの強さだと思っておいていいと思います。
2-high,3-high,4-high,5-high two-card hands
このハンドはルースなプレイヤーが参加しがちなハンドです。
2枚の状態から即座にbadugiに進展するのはかなり難しいです。2枚ドローを1回のラウンドでbadugiを成立させる確率はおよそ10%しかありません。
ほとんどのtri,全てのpat badugiに対して大きくアンダードッグになってしまいます。
また、仮に完成したとしても、相手が更に良形のbadugiを完成させる可能性もかなりあります。
これらの事から特定のシチュエーションでないと参加は推奨しません。
参加できる状況としては誰かのオープンリンプにレイトポジションもしくはSBからコールするくらいのものです。
ただし希望は少しは残されています。
A2やA3のようなスムースなtwo-card handsは1stドローで20%の確率で良形(5-high tri)以上に進展させることができます。出来なかったら諦めましょう。
Tier4 ハンドの解説
Q-high, K-high Pat Badugis
先述した通りプリドローで配られる半分以上のbadugiはこの形です。ちなみに真ん中はQ-7 highになります。
プリドローでbadugiが配られる確率は6%であると述べました。その6%を引いたとしても残念ながらこのような形でくる事がほとんどなのです。
この形のハンドはマルチウェイにめっぽう弱く、HUでもマージナルになる事がほとんどです。
しかしHUで、ルースな相手に対してはこの限りではありません。2枚ドローに対してはフェイバリットですし、triに対してもそこそこの勝率はあります。
例を見てみましょう。
KQJT vs. 32A
一回のドローでは79.5%のエクイティがあります。しかし3回のドローに対しては49.4%のエクイティになってしまいます。
レイトポジションからスチールを行うのは良いですが、コールでディフェンスしたり、アーリーポジションのオープンにコールで参加は絶対にしてはいけません。
コールで参加したハンドを1stドローでスタンドパットするのは相手にハンドを教えるようなものです。しかし3-betする程の強さはないので、扱いに注意してください。
8-high, 9-high tris
よく見かける形のtriですが、とてもマージナルです。
この形のtriでショウダウンで勝てる事は稀ですし、badugiを完成させたとしてもより良い形のbadugiに負ける事は珍しくありません。
スムースなtri(82A,93A)などであればより良い形に進展する可能性があるのでまだ救いはあるかもしれません。
ラフなtriであれば素直にフォールドした方がいいです。
スムースなtriでレイトポジションから、あまりディフェンスしないタイトなブラインドに対してスチールを試みるくらいが参加する基準になると思います。
6-high, 7-high, 8-high two-card hands
とてもルースなプレイヤーが参加しがちなハンドです。しかし通常は参加を推奨することはできません。
マルチウェイでもこのようなハンドで参加するプレイヤーも多く見かけますが、とてもよく見かけるリークになります。
triに進展しても形は良くなく、ショウダウンで勝つことは殆ど出来ない上、badugiも作りにくい上に強くないという悪いところを挙げればキリがありません。
参加できる条件としては、とてもタイトでほとんどディフェンスしないブラインドに対してBTNからスチールを試みるか、とても広いレンジでスチールをしてくるBTNに対してBBでディフェンスするくらいです。
もし参加する事を決めたのであればHUである場合、ある程度の頻度でSnow(パットブラフ)をすることを前提にアクションを決めましょう。マルチウェイの場合はそもそも参加してはいけません。
一般的な戦略概要
Badugiはローボールゲームの中でも特殊な部類に入ります。triの価値がとても高い点がそれです。
良い形のtriはショウダウンで勝つ事がよくあります。
プリドローでbadugiが配られる確率は6%ですが、triが配られる確率はおよそ57%あります。
しかし全てのtriで参加する事は利益的ではありません。
弱いプレイヤーはしばしば弱いtriで参加しがちです(T86,J92など)。
これらはbadugiを作る以外に強くなる選択肢はなく(しかも簡単には作れない)、総じてミスに繋がり、マージナルなハンドで難しいスポットに直面しやすくなります。
理想を言えば、より強くなる可能性のある、そこそこ強いtriで、強いbadugiを狙いに行くのが良いと思います。
NLHEだと74sのような非常にマージナルなハンドでも運良くボードと噛み合えば強力なハンドになったりするでしょう。しかしこのゲームでT98 triがモンスター級のbadugiに進展する事は絶対に有り得ません。これが初心者が最初に犯しやすいミスです。
そして先述しましたが、triから強いbadugiに発展するのは難しいというのは覚えておいて下さい。
ある特定のスーツの特定のランクのカードを引くのはとても難しいことなのです。
例を見てみましょう。
8-highのtriを持っているとします。
badugiを完成させるには持ってないスートの持ってないランクのカードが必要です。
♡のない82Aならば、♡のKQJT976543の10アウツですね。
これをざっくり計算すると1回ドローすると約20%でbadugiが完成し、10%で8-high以上のbadugiが完成します。
以下に詳しい確率の表を掲載しておきます。
この確率をざっくり覚えておくと実戦の判断の助けになると思います。
事実として覚えておきたいのは、どんな良形でも半分はbadugiが完成せずミスしてしまうという事です。
しかしドロー中の相手であればスムースなtriはフェイバリットを取れ、倒すのが非常に困難になります。ドロー回数が増えれば増えるほど、こちら側が有利に立てるのです。
よってスムースなtriはプリドローでのアグレッションがとても重要になってきます。
そこそこまともな形のpat badugiであればマルチウェイでもドロー相手であればフェイバリットを保つ事ができます。しかし人数が増えれば増える程注意しなくてはなりません。
two-card handsやtriがbadugiを成立させる可能性は高くありません。
そのためマルチウェイのショウダウンでまともなpat badugiが勝つことはよくあります。
しかし、もしラフなpat badugiを持っている場合、マルチウェイをプレイするのは難しいと考えたほうがいいです。4way以上になればショウダウンまでに8-high badugi以上をショウされる事は珍しくありません。
しかしそれは相手もわかっています。そのため、HUや3wayの場合はSnowしてくる相手を見極めてそれをキャッチする事も大切になってきます。
よく見られるSnowの例を見てみましょう。
プリドローであまり形の良くないtriを持っているとします。1stドローで1枚ドローし、2ndドローでスタンドパットします。2ndドロー後のベッティングラウンドでbadugiが完成したように見せかけベット、レイズをします。
相手がビッグベットをコール出来るハンドを持ち合わせていない場合、フォールドしてくれる事がよくあります。
また3rdドロー後にもブラフすることが出来ます。ドローミスした弱い相手で自分のハンドに素直になりすぎるようなプレイヤーに有効です。
もちろんこれ行うときポジションがとても大切になってきます。
相手がスタンドパットし、badugiが成立したように見えた場合、こちらもドローするかの判断をすることができますし、損失を抑える事ができます。
プリドローにおける戦術
最初にポットに参加する場合、基本的にはレイズで参加しましょう。
相手プレイヤーの数を減らし、勝率を高める目的と、BBにフリーでドローさせない目的があります。
そして常にレイズで参加することにより、自分の非常に強いハンドも相手に見破られずプロテクトする事ができます。
弱いプレイヤーの中でも、プリドローでリンプまたはコールした後の1stドローでスタンドパットするプレイヤーが居ます。
そのようなプレイヤーは基本的にはK-high, Q-high badugiなど弱いbadugiで参加している事がとても多いです。
このタイプのプレイヤーはその後もチェックやコールを多用し、自分よりも強いbadugiを作られないかを恐れながらプレイする傾向にあります。
これに関してはアグレッションを上げたり、Snowすることにより簡単にエクスプロイトする事が出来るのでとても美味しいプレイヤーだといえます。
同様に強いtriでは3betするけど弱いtriではコールで止めるようなプレイをしていると簡単に相手に見破られてしまいます。注意しましょう。
最初に参加する場合
Tier1, Tier2の場合はどこからでも参加できる十分な強さがあります。
Tier4はレイトポジションのみでオープンするのが推奨されます。
Tier3はミドル、レイドポジションで参加するのが推奨されますが、アーリーポジションのレンジにTier3のpat badugiを含めてバランスを取ることも出来ます(HUでレイトポジションやBBがtwo-card handsの場合フェイバリット)。
しかしマルチウェイで抵抗された場合、シンプルにフォールドする必要も出てきます。
アーリーポジションからtwo-card handsを参加するのは推奨されません。
後ろのプレイヤーが自分が2枚ドローしているのを見てからアクションを起こせるため、アドバンテージが相手に多く与えられます。
ボーダーラインのハンドに関しては、そのハンドがラフなのかスムースなのかを判断の基準にして下さい。スムースな場合参加するポジションを広め、ラフな場合シンプルにフォールドするのが良いと思います。
基本的にマージナルなハンドでOOPから参加するのは避けましょう。強い相手の場合簡単に搾取されてしまいます。
レイトポジションからオープンする場合、ハンドの強さも大切ですが、ブラインドがどれだけディフェンスしてくるかを良く観察しておく必要があります。
タイトなブラインドの場合、積極的にスチールしましょう。もしコールされてもこちらはポジションがあるので多少のアドバンテージは維持できます。しかしタイトなブラインドがコールしているのでレンジは相手の方が圧倒的に強いです。発展しない場合は無理しないようにしましょう。
次のシチュエーションを考えてみましょう。
SB 100
BB 200
Hero(BTN): Raise to 400
この例を特定の条件で考えてみます。
両ブラインドがフォールドした場合、あなたは400のレイズで300を得ます。
しかしコールされた場合、ショウダウンまでいき400を必ず失うものとします。
これは最悪のケースシナリオなのでリアルでは起こり得ませんが、これをベースに考えてみましょう。
BTNから400のレイズをし、300を得るために7回中4回(57%)スチールが成功すればイーブンになります。
両ブラインドがTier1, Tier2のみでディフェンスする場合、これらが配られる確率は5%以下なのでフォールドし過ぎになります。
もう少しコールレンジを広げてみましょう。
全てのPat badugiと7-high tri以上でディフェンスしたとします。
それでもまだ16%にしかなりません。
これでもとてもタイトなレンジで、両ブラインドがフォールドする確率は70%もあります。
70%もフォールドする確率がある場合、BTNからは全てのハンドでスチールする事が正解となります。
逆を言えば相手のスチールには積極的にディフェンスしなくてはなりません。
フォールドし過ぎることにより相手に簡単にエクスプロイトされてしまいます。
これはSB vs BBにも言えることです。
1人以上既に参加している場合
他のプレイヤーが既に参加している場合、相手のハンドレンジをある程度想定し、フォールドするか、コールもしくはレイズするかを考えましょう。
相手が先に参加している場合、こちらがレイズしても相手がフォールドする事はほぼ無いと考えていいです。
つまりリスチールは出来ないため、純粋にプレイアビリティの高いハンドで参加する必要があります。
まず相手が持ちうるハンドレンジを考えます。
例えばタイトなUTGがオープンレイズした場合はTier1,Tier2など相当強いハンドを持ちうるため、基本的にはフォールドしましょう。
またアーリーポジションからリンプを多用するプレイヤーもいます。そのような相手は基本的にプレミアムなbadugiやtriを持っている可能性は低いです。ルースアグレッシブなプレイヤーも同様にアーリーポジションから多くのハンドでレイズしてきます。
このような相手にはそこそこ強いtriあたりで迅速にbadugiに発展させポジションを活かしてバリューを取るのが良いでしょう。
また既に参加しているプレイヤー居る場合、マルチウェイになる前提で参加するハンドを考えた方が良いです。
Tier4の弱いPat badugiなどは非常に打たれ弱いので参加しない方が良いでしょう。
逆に例えば6-highのtwo-card handsをBTNで持っていて、複数のリンパーが居る場合、発展を願ってオーバーリンプするのも良いでしょう。
自分がSB,BBでコールする場合、OOPでプレイしなくてはならないため、IPの相手よりドローを素直に行わなくてはならなくなります。自分のSnowの機会が限定されてしまい、相手はSnowしやすいため相手に多くのアドバンテージを与えてしまうことを覚えておきましょう。
ドロー時の戦略
一般的には自分が作り得る最も強いbadugiのアウツが最大限残るようなカードを捨てます。また、なにを捨てたかをきちんと覚えるようにしましょう。
大体のプレイしなれているプレイヤーはドロー時にあまり時間を使いません。ほとんどのシチュエーションで何を捨てるかが明らかになっているためです。
しかし、時にはどれを捨てるか悩む場面もあります。2枚のカードのどちらを捨てても良く見えそうな場面だったり、前に捨てたカードによる小さな差を瞬時に判断するのは慣れていないと難しいものです。
1stドローについて
1stドローでは悩む事はありません。明らかに必要のないカードを捨てるのみです。
稀ですが、このラウンドでスタンドパットした後、残りのラウンドでドローをしなくてはならなくなった場合を考えておくのも良いでしょう。
基本的には、重複しているランク、スーツの中で最も高いカードを捨て、なるべく良い形にします。
例を見てみましょう。
A♡3♧3♢7♢を持っているとします。
何を捨てれば良いでしょう?
この例では、ダイヤが2枚ありますね。重複したスーツの最も高いカードは7♢になります。
しかしこれを捨ててしまうと3のペアが残るためtriの形にはなりません。よって7♢は不正解です。
今回は3♢を捨てて、A♡3♧7♢の7-high triの形にするのが正解になります。
このように、スーツやランクが複数重なっている場合は最初は悩むかもしれませんが、慣れれば簡単に判断する事が出来ます。
ルール その1
ハンドに2枚の重複したスーツがある場合、もしランクが重複していなければ低いランクをキープする。
1枚捨てた後について
前述の通り、引き続き重複したスーツ、ランクのカードを捨てていきます。
一般的に高いランクのカードを捨てて、低いランクのカードをキープします。
A♡3♧5♧6♤を持っているとします。
普通に考えると5♧を捨てて、良い形のtri(A♡3♧6♤)にするのがベストです。
しかし前のラウンドで捨てたカードによってはこのような判断が間違いになる可能性もあります。
例を見てみましょう。
プリドローでA♡3♢5♧5♤を持っているとしましょう。
1stドローで5♤を捨てる事にしました(別に5♧でも良いのですがランダムに決めました)。
すると2♧を引いてきて、A♡2♧3♢5♧の形になりました。
ルールその1を適用すると、5♧を捨てて、最高の形のtriにするのが正解になります。
しかし5♤を捨ててしまっているため、5♧を捨てるとアウツが1枚少ないドローになります。
一方2♧を捨てると弱いtriになりますが、アウツは多いです。
どちらが正解になるでしょう?
今回の場合、基本的にはルールその1に則り、5♧を捨てる事が正解になる場合が多いです。特にマルチウェイで全員がドローしている場合、#1 tri(A23) は#6 tri(A35) よりも相当価値が高いです。
しかしHUで相手がPat badugiを持っている場合などはこの限りではありません。
平均的に見てPat badugiは強いbadugiを持っている可能性は低いです。
そのためこちらはそれらより強いbadugiを迅速に成立させる事が要求されます。
その場合、より多くのアウツが残っている2♧を捨てる事が正解になります。
スーツに関しても同じ事が言えます。
また例を見てみましょう。
プリドローでA♡2♢4♧9♧が配られました。
1stドローで9♧を捨てました。すると4♤を引いてきて、A♡2♢4♧4♤の形になりました。
次は何を捨てますか?
ここで何も考えずにどちらの4を切っても良いと考えるプレイヤーは多いです。
しかしよく考えて下さい。
9♧を捨ててしまっている以上9♧が帰ってくることはありません。
♧のアウツが1枚減っている状態なので、4♧を残して4♤を捨てるのが正解になります。
これにより♤のアウツはマックスで残っている状態を保つ事ができます。
ルール その2
レインボーハンドでランクが同じ2枚を捨てる時は自分が前に捨てたスートを残すようにする。
2枚捨てた後について
A♡3♢4♢7♧を持っているとします。
1stドローで4♢を捨てて5♧を引いてきました。
A♡3♢5♧7♧になりました。
2ndドローで7♧を捨てると5♤を引いてきました。
A♡3♢5♧5♤になりました。
さて、どちらの5を捨てるのが正解でしょう?
アウツを数えるとすぐ分かりますね。
5♧を残した場合
♤2,4,6,7,8,9,T,J,Q,K =10アウツ
5♤を残した場合
♧2,4,6,8,9,T,J,Q,K =9アウツ(7♧を捨てているため)
また、1stドローで7♧,4♢の2枚を捨てている場合でも、その後のドローに影響するのは7♧のみです。
♢は3♢で固定されてますし、4♢がアウツに影響をさほど与えないためです。
よって、ルール2がそのまま適用できるため、ここでは5♧を残すのが正解となります。
3枚以上ドローした後について
これまでのガイドラインに沿ってプレイしていた場合、多くはfinalドローでこの場面になるでしょう。
1stドローで2枚、2ndドローでも2枚のカードをドローした場合などもfinalドローでこのような状態になると思います。
これまで捨てたカードが何だったのか枚数が多くなるほど覚えるのも大変になります。
しかしスタッドポーカーのように見えていた情報には非常に価値があります。
判断材料としてしっかり記憶するように常に心がけましょう。
プリドロー、BBでA♡3♧3♢T♤を持っているとします。
マルチウェイのリンプインで回ってきたのでチェックしました。
3♧とT♤を捨てたところJ♧と8♢を引いてきました。
現在A♡3♢J♧8♢です。
発展を願いながら2ndドローでJ♧と8♢を捨てました。
すると2♧と2♤を引いてきました。
現在A♡2♧2♤3♢です。
どちらの2を捨てましょう?
今までのルールを適用すると♧は2枚、♤は1枚しか捨てていないため、♧を残して♤を捨てるのがベストになりそうです。
しかし今回1stドローで3♧を捨てましたが3♤はデッキに生きています。この3♤はアウツになり得ないので除外されます。♤のアウツも減っているのです。
ではアウツになりえるカードをそれぞれ見てみましょう。
2♧を残した場合
♤ 4,5,6,7,8,9,J,Q,K
2♤を残した場合
♧ 4,5,6,7,8,9,T,Q,K
今回のような場合、アウツの数は一緒(9アウツ)ですが、作れるbadugiの強さが変わっています。
2♧を残した場合、J-high badugiが含まれますが、2♤を残した場合はT-high badugiが含まれます。
より強いbadugiを作れる形を残すのがこのゲームにおいて重要なので、今回は2♤を残すのが正解になります。
ルール3
レインボーで同じランクのカードがある場合、以前に捨てたスートと同じスートのカードを残す(ルール2に従う)。
捨てたカードが複数あり、それらのランクが重なっていない場合、捨てたカードの中で最もランクの低いカードのスートを残す。
例を見てみましょう。
a)あなたは3♤と3♡どちらを残すか悩んでます。
捨てたカードは5♤6♤7♡8♡です。
どちらを残しますか?
ルール3を適用すると3♤を残すのが正解になります。
5♡6♡がアウツとなり、より強いbadugiを作ることができるためです。
b) あなたは3♤と3♡どちらを残すか悩んでます。
捨てたカードは5♤6♡7♤8♡です。
どちらを残しますか?
これもルール3を適用して3♤を残すのが正解になります。
c) あなたは3♤と3♡どちらを残すか悩んでます。
捨てたカードは5♤6♡7♡8♤です。
どちらを残しますか?
このタイプは判断が難しいです。
ルール3を適用して3♤を残すと5♡8♡がアウツになりますが、3♡を残して6♤7♤のアウツを残すのもとても良いです。
#2と #36を取るか、#6と#16を取るか悩ましいです。
しかし前述の通り、このゲームはより強いbadugiを作ることが正しい判断になる事が多いです。
よってルール3を適用して3♤を残します。
#2を引けた場合 、アグレッシブに、#36を引いた場合、ヘビーなアクションに対してはパッシブにプレイするのが良いでしょう。
しかし5♤6♡7♡T♤のように過去に捨てた場合、3♡を残しておくのが良いでしょう。
それなりに強いbadugiを引ける可能性がより高まるため、#2に拘らなくてもいい事もあります。
序盤のドローイングラウンドで特にマルチウェイの場合、微妙なtriや弱いbadugiを崩す必要が出てくる事もあります。
例えばK♤7♡2♡A♢やQ♧2♤2♢A♡を持っている時、7♡や2♤/2♢を捨てるのは確定ですが、1stドローの場合、K♤やQ♧も捨てた方が良いでしょう。
仮にもしQ♡5♢3♤A♧のbadugiが完成したとして、1stドローやプリドローの場合Q♡の扱いに関して非常によく考える必要があります。
実際のプレイではそのハンドの強さを基準に考えれば良いですが、考慮すべき点として、何人の参加者が居るか、彼らはまだドローするのか、などの点を考えると良いでしょう。
1stドロー後について
(2ndベッティングラウンド)
もし相手が1stドローでスタンドパットした場合、平均的にはQ-high,K-highのPat badugiである可能性が高く、9-highよりも悪い可能性が非常に高いです。
これらの事を頭に入れておき、相手がどの程度のbadugiを持ちうるかを考えながらプレイしましょう。
弱いプレイヤーはしばしばQ-high,K-highなど弱いbadugiをパッシブにプレイしがちです(check/call)。
完全に相手のハンドの強さが透けて見えてるので簡単にアジャストする事ができます。
2ndベッティングラウンドにて、1stドローでドローした枚数が同じ場合、プリドローのオリジナルレイザーまでチェックで回す事は良くあります。
マルチウェイで自分より多くの枚数をドローしたプレイヤーがいた場合、そのプレイヤーのエクイティを放棄させる為にも自分からベットしましょう。
チェックアラウンドでフリーカードを与えるリスクの方が高いのです。
また自分がオリジナルレイザーでしたが、自分よりドロー枚数が少ないプレイヤーがいた場合、イニシアチブはそのプレイヤーに渡っていると考えて下さい。
また、相手のハンドがかなり発展した場合、リードベットを打ってくる可能性もあります(NLHEではドンクベットという言い方をします)。
上述したように、1stドロー後にレイトポジションのプレイヤーがイニシアチブを持っている場合、そのプレイヤーまでチェックで回すのが自然ですが、強いtriやbadugiに自分が発展した場合、チェックレイズすることを考えるようにしましょう。
特にマルチウェイの場合、そこまで強くないbadugiをプロテクトするために参加人数を減らす事がとても重要になってきます。
2ndベッティングラウンドで相手のベットに対してコールするかどうか考える時、自分のハンドと相手のハンドの強さを比較する必要がありますが、このベッティングラウンドまでスモールベットなので、ほとんどの場合コールするのに十分なオッズがあります。
1stドロー後、自分がベットするか考える時、自分のハンドのクオリティ、参加人数、それによるオッズの変化などを念頭において決めましょう。
また、自分が比較的まともなハンドを持っている場合、2ndベッティングラウンドではほとんどの場合ベットに対してコールできるはずです。
しかし、ベットに対してレイズが入っている場合、コールするかは慎重に考えた方がよいでしょう。
二人のレイズ戦争に巻き込まれ、ひたすらコールするマンになってしまうかもしれません。
1stドローで2枚以上ドローし、まともなtriすら作れなかった場合、このラウンドでフォールドする事も考えた方がよいでしょう。
ですがポットが十分に大きく、2枚がとても強い場合(A2など)、発展を願ってコールしてもいいと思います。
もちろん自分がbadugiに発展した場合アクションをコントロールし、相手から多くのチップを取る事を考えます。
特にイニシアチブが自分になく、レイズすることで参加人数が減らせそうな場合はアグレッシブなアクションをとれる選択をしましょう。
このラウンドで参加人数が少く相手がまだドローしそうな時、snowするかどうかを考えるのにベストなタイミングになります。
相手が1人、または2人の場合、snowはとても有力な戦術の一つです。
snowはbadugiが完成しなかった場合よく降りるようなプレイヤーに対してとても有効です。しかしそこそこ強いtriでショーダウンまでいくようなプレイヤーに対しては効果的ではありません。
1回の2枚ドローでbadugiが完成する確率(約10%)を知っているような相手はしばしばコール頻度を増やしてくることもありますので注意しましょう。
2ndドロー後について
(3rdベッティングラウンド)
このラウンドまでに相手がbadugiを完成させ、自分が完成できていない場合、降りる事が一般的に正解になります。
このラウンドからベット額が2倍になります(ビッグベット)。
そのため、このラウンドで降りるか、コールして続けるかを判断する事が非常に多くなります。
このタイミングでtriを持っていて、badugiを引ける確率はおおよそ20%しかありません。
更に、参加人数が多ければ多いほど勝つために必要な強さも高まり、自分のアウツを相手が既に抑えてしまっている可能性も高くなります。
仮にあなたがA23の最高の形のtriを持っていたとして、8-high badugi以上が勝つために必要な状況だとすると、10%の可能性しか引くことが出来ません。また相手が1stドローからpat badugiでJ-high badugiがあれば勝てそうな状況だったとすると多少確率は上がりますが、それでも17%しかありません。
逆に言えば、その確率を満たすだけのオッズがあればコールが正しくなります。
その場合、自分が比較的弱めのtri(A48など)を持っている場合ドローイングデッドになっている可能性も高まるので、相手とのハンドの強さの比較を慎重に考えましょう。
言うまでもありませんが、two-card handも同様にこのシチュエーションでは厳しいのでルーティン的に降りるのが正解になります。
このラウンドあたりから、相手がsnowをしてくる可能性も考慮したアクションの決定をしていく必要があります。
相手がsnowしてきそうな何かしらの情報がある場合、比較的強いtriでコールし、最後までキャッチしにいくようなアクションをとる必要がでてきます。
もしあなたがtriでキャッチしにいったとき、相手がbadugiを完成させており負けたとしても相手はその後snowしづらくなり、相手の行動を制限することができます。
もしあなたが2ndドローでbadugiを持っていたり、snow目的でスタンドパットしていた場合、このラウンドでは必ずベットしましょう。また強いtriを持っている場合も同様です。
ここでのベットは相手の人数を減らす最大のチャンスです。参加人数を減らし、自分の勝率を高めるためにもアグレッシブになりましょう。
もしあなたが弱めのbadugiを持っていてベットしたところ、相手からより強いbadugiが完成したようなアグレッシブなアクションが返ってきたとき、あなたは難しいスポットに直面します。
J-highやQ-highなど弱めのbadugiを持ってこのシチュエーションになった時、素直に降りるのも良いでしょう。
中にはそこそこ強いbadugiが完成した時にしかレイズしてこない相手もいます。そういったプレイヤーの場合、しっかりアジャストしましょう。
逆にIPからそこそこのtriで相手を降ろしにくるプレイヤーもいます。そういったアグレッシブなプレイヤー相手には降ろされないように注意しながらそのブラフをキャッチしなくてはなりません。このゲームも他のポーカーと変わらずポジションの優位性はとても大切になってきます。
もうひとつ、よくあるシチュエーションとしてスムースな弱めのbadugiを持っている時にレイズに直面する場合があります。
J54Aなどを持っていて、相手が自分より強いbadugiを作っている場合、このbadugiを崩してコールするか、このままコールするかを考えると思いますが通常降りた方がいい事が多いです。
相手が8-high badugiを作っていた場合、崩したとしても5アウツしかなく、HUでそれに見合うポットオッズになる事はそうそうありません。
2-7TDではfinalドローで9 highのメイドハンドを崩す事などもよく見かけますが、badugiではスートの制限により同じようなアクションをとるのが非常に難しくなっています。
特にfinalドローでbadugiを崩すのはハッキリ言って無駄です。
Finalドロー後について
(Finalベッティングラウンド)
このラウンドでは完成したbadugiや強いtriでベットしたり、相手のsnowをキャッチしにいくような動きが基本になります。
もしあなたがsnowしている場合、相手がFinalドローでドローしていないとブラフは成功しないと考えましょう。
弱いプレイヤーにありがちなのが、3rdベッティングラウンドでコールしすぎてbadugiが完成しなかった場合このラウンドで降りることです。
これは簡単にエクスプロイトできる上にとても利益的なプレイヤーです。こういったプレイヤーに対しては積極的にsnowしたりプレッシャーをかけましょう。
逆にそこそこのtriでこのラウンドでコールしすぎるプレイヤーもいます。これもよくあるリークで、ブラフを少なくし、より強いtriでベットするように対応していきましょう。
前述しましたが、ドローすることで作ったbadugiは基本的にpat badugiよりも強いことがほとんどです。
4 high, 5 highは言うまでもなくモンスターですし、6 highも非常に強力です。7 highあればレイズが返ってきても基本的にコールできます。
8high, 9 high badugiはコンビネーションも多く、マルチウェイではショーダウンでよく見かけるハンドです。
時々このラウンドでQ highやJ highなど弱いbadugiをチェックするプレイヤーを見かけます。
こういったプレイヤーの多くはレイズが返ってくることを恐れチェックする傾向にあるようです。
そういったプレイヤーに対してあなたはどうするべきでしょう。
ブラフでベットして相手を降ろそうとするのはあまり得策ではないです。相手は安くショーダウンに持っていきたいと考えチェックしているため、ブラフが通らないことの方が多いです。
では自分が弱いbadugiを持っている場合はどうでしょう。
相手がとてもタイトで、そこそこ良いbadugiでしかコールしてこない場合、チェックするのが良いでしょう。ベットしたところで自分より強いbadugiでしかコールしてくれないためです。
逆にそこそこのtriなどで頻繁にコールしてくる相手に対しては積極的にベットしましょう(レイズが返ってきた場合は注意が必要です)。
このタイプのプレイヤーに対してベットする事により、ペイしてもらうだけではなく、自分の今後のsnowをカモフラージュできます。
もしあなたが強いbadugiとsnowでしかベットしていない場合、相手に簡単に見破られる事になります。
強いbadugiはそう簡単にできるものではないのです。
おわりに
以上でBadugiの内容は終わりになります。
この本自体が2014年に出版されたこともあり、現在では違う戦略になっている部分もちょこちょこあるようです。
補足記事なども歓迎ですので、ここのリンクを貼って書いてもらえると嬉しいです。
ではまた!