一日を歩く

一人、朝を歩く。
一日の始まりの時間に、温まりきらないアスファルトを踏み、寝ぼけまぶたに冷たい風があたりながら、私は歩く。
一人、昼を歩く。
一日の絶頂の時間に、活発な空気に揉まれ、熱に囲まれたこの時間を、私は歩く。
一人、夕暮れを歩く。
一日の終る間際の時間に、くすぶる昼の熱から逃れるよう、向かい来る静けさに向かい、私は歩く。
一人、夜を歩く。
一日の終りの時間に、おとなしくなった街、寝静まった街の中で、吹き抜ける冷たい風をまとって、私は歩く。
一人、一日を歩く。
一日の時間の中に、空気、音、熱の変化が生まれ、その変化の中で生きるものを感じながら、私は歩く。

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