島田しまか

✨小説を書いています。心に引っかかった単語、事象、絵や写真から妄想をひろげて物語を捏ね…

島田しまか

✨小説を書いています。心に引っかかった単語、事象、絵や写真から妄想をひろげて物語を捏ね上げるのが好き。 😃2023年まで「かがわとわ」名で書いていました。作品の最後に「公開時ペンネーム かがわとわ」と記してあります。

最近の記事

どっちだっていい【小説】

 爺さんの脚は、婆さんより美脚なのであった。美、は褒め過ぎなので訂正するが、慎み深い品のようなものを醸し出している。若い男の中には、女装にふさわしい脚の持ち主がいるものだが、同い年の八十二歳に裏切られたような気がした。思いのほか歪んでいない。白いものが混じる脛毛を剃ってやったからだろうか。艶のあるストッキングに包まれているからだろうか。視線をゆっくりと上げていく。腿上までスカートをたくし上げてみせた両手の甲には、楕円形のしみと薄鼠色に盛り上がる静脈が地図を成している。前傾気味

    • へちま男              ☆絵・写真から着想した話 その11

      ☝🏼このフリー画像から書いた妄想話です                                      九月の終わり。チャイムの音にドアを開けると、ご近所の鈴木さんが、ニコニコ笑って立っていました。 「いい感じにできたのよ。よかったら使ってね」  受け取った紙袋を覗いた私は、叫びそうになった口元を思わず押さえました。へちまのたわしが、入っていたのです。 「懐かしいでしょ?」  気持ちの乱れを悟られぬよう、こちらも笑顔をつくって御礼を述べるのがやっと。見送ったあと、

      • ピンチピンチ チャンスチャンス ランランラ~ン♪             ☆絵・写真から着想した話 その10

        ☝🏼この写真から書いた妄想話です                                    「今日はやめなよ。バカじゃねーの」  激しい雨音に逆らうハルの声は、叫びに近かった。  僕は無視して、横断歩道へと向かった。 「リク! 聞こえないのかよ!」  横断歩道は、見る間に水に浸かってゆく。早くしないと、どんどん渡りにくくなる。塾リュックをからだの前に回して、両手で傘の柄をしっかり持ち直した。 「うちの……おとう……迎え……車で一緒に……かえ……」  後ろから途切

        • 誰か教えてください( その3 解決篇 note運営事務局の橋本さんが教えてくださいました!!)

          ああ、嬉しい!! 文書貼り付け問題が、解決されました。 note運営事務局の橋本さんという方が、メールのやりとりで丁寧に教えてくださいました。  ⤵⤵ 困っていた問題はコレです。 私のように困っている方がいらしたら、是非参考にしてください。 もしかしてnoteのHow toページのどこかに書いてあったのかも知れませんが、私はうまく探せなかったので。 答えの抜粋です。  ⤵⤵ >お手数ですが、別のファイルからの貼り付けを行う際には、[Ctrl]キー([command]キー

        どっちだっていい【小説】

        • へちま男              ☆絵・写真から着想した話 その11

        • ピンチピンチ チャンスチャンス ランランラ~ン♪             ☆絵・写真から着想した話 その10

        • 誰か教えてください( その3 解決篇 note運営事務局の橋本さんが教えてくださいました!!)

          誰か教えてください (その2)

           あれからいろいろ検討したが、文章をコピペするとnoteは改行時に勝手に一行空けをするらしい。だから、原文が改行していない箇所は行間が何行かくっついて表示されてしまう。と、自分なりに理解した。  更にコピペすると文章冒頭の一字下げは無くなってしまう。  よし、それならと、まず文章を複製し、noteの画面上でひたすら行間なおしと文頭一字下げをしていた……が、ほとほと疲れた。途中でこの作業をあきらめることにした。  もういいや。あれで。(@_@。  一応noteヘルプセンターに問

          誰か教えてください (その2)

          誰か教えてください

           昨日、滑り込みで「創作大賞2024」に小説を投稿したのですが、Wordでつくった文章をコピヘすると、原文とは違う行間になって表示されてしまいます。  何行か続けて行間が詰まっていたり、またあるところは、行間がやけに広がったりと、原文では同じ行間で書いているのになぜ?  なにより困るのが、そのせいで「一行あけ」していない箇所が「一行あけ」したようにスカスカに表示されていたりで、もう、どうしていいんだか。  元原稿を別の形でつくりかえて、再読み込みさせたりなどといろいろ試しまし

          誰か教えてください

          マジア・ド・サンバ

          あらすじ  自動車部品会社の営業マン大江康太郎は、工員のブラジル人ローザから、巨大な銀のソロバン、ショカーリョを借りることになる。ローザ曰く、ショカーリョは元気が出る不思議な楽器。興味を持った康太郎は、サンバコミュニティー、カランボーラを見学に行き、イメージが一変。挑発的な衣装をつけて踊るパシスタよりも、カーニバルの要は、中央で演奏するバテリアであり、ショカーリョは、サンバのリズムを刻む重要なパートなのだった。メンバーに加わった康太郎は、トップパシスタのブランカや、個性的な仲

          マジア・ド・サンバ

          頭の中には、あるのです。

          画像から物語を創るシリーズは、書きたいし、頭の中に構想しているストックもある。 やる気がなくなったわけじゃなくて、とにかく、現在時間がつくれなくて。 書きたいのに、書けなくて悔しい。 朝の4時45分から起きてるけど、今、時間がつくれない。 うう。時間が……。

          頭の中には、あるのです。

          カエル日を待っている                ☆絵・写真から着想した話 その9

          ☝🏼この写真から書いた妄想話です  奈々子の足の話をしようと思う。  先に言っとくが、谷崎の「富美子の足」みたいな、そっち系の話ではない。でも、俺の彼女だった人の話だ。  先週別れて、同棲を解消した。  奈々子は、身長が149センチしかない小柄な人だった。痩せっぽっちで、足も小さかったが、負けん気と元気だけはいっぱいあった。  21センチ──。奈々子の足のサイズ。奈々子曰く「小学2年の上履を、ソックス着用で楽に履ける」そうだ(奈々子は、小学校の教師をしていた) 「服も靴も、

          カエル日を待っている                ☆絵・写真から着想した話 その9

          ミツケタ                ☆絵・写真から着想した話 その8

           ☝🏼このフリー画像から書いた妄想話です 「うっ!」  彼女の頭に触れたとたん、小さく叫んで手を離してしまった。  顔の下半分が露出した彼女の唇から「なにか?」と不安そうな声が漏れる。  ──見つけた。二人目だ。 「申し訳ありません。ちょっと手がつってしまって」 「大丈夫ですか」 「はい。もう大丈夫です。一瞬つっただけで。すみません」 「大変ですね。一日に何人もこなすわけでしょう? 手だってつりますよね」  彼女の声は、おっとりと優しい。でも、タオル越しの頭からは、ピリピリ

          ミツケタ                ☆絵・写真から着想した話 その8

          斜面                ☆絵・写真から着想した話 その7

          ☝🏼このフリー画像から書いた妄想話です  土の中から、斜めに手が出ていた。  肘の手前あたりまで。形はパー。雑木林の遊歩道脇からニョッキリ。火曜日の朝、九時五分。丘陵地を活かした自然公園。青彦の周りには、誰もいない。早朝には、鳥撮りのカメラマンたちが、十時過ぎると保育園児のお散歩、野良猫に餌をこっそり与える老人。放課後には小学生たちがやって来る──ので、散策は平日のこの時間と決めている。それにしてもこの埋め方、発見を希望しているとしか思えん。昨日は無かった。現場の土は、小豆

          斜面                ☆絵・写真から着想した話 その7

          今年はnoteで短編を!

          #note書き初め 今年はnoteで、超短編をガンガンアップするぞ! 一枚の写真から 一枚の絵から アンテナにひっかかった「単語」から 妄想をひろげて話を創ります。 ふふ。

          今年はnoteで短編を!

          りゅたどら             ☆絵・写真から着想した話 その6

          ☝🏼このフリー画像から書いた妄想話です りゅういち 「観たか。紅白」 たつじ   「なんだか、知らん歌手ばっかりで」 どらぞう  「だよなぁ。若者のグループが次々出てよ」 たつじ   「踊りまくってばかりで。歌合戦っていうより」 どらぞう  「踊り合戦だな」 りゅういち 「ダンスパフォーマンス」 たつじ   「また、知ったかぶりを」 りゅういち 「お前らの家でも、ダンスの奴らが出で来ると孫が盛り上がっ         てただろ」 どらぞう  「そうそう。あと、もの凄い早口で

          りゅたどら             ☆絵・写真から着想した話 その6

          たつのこ 後編

           またもや混乱のカオスだ。 「あらためて、はじめまして」  瑞人さんが、握手を求めてきた。 「会うのは、初めてなんですね?」 「スミコさんは僕のこと、知らなくても僕はスミコちゃん──スミコさんの話を信正さんからたくさん聴いたから。会ったことはないのに、いろいろ知っている不思議な友だちって感じでね。僕は親父に付いて『たつの会』に小学生の時から出入りしていました。日曜の昼間に、親父たちのそばで遊んでね。洗脳されちゃったのか、僕も海の生物が大好きで。あ、今は海洋生物の研究をしていま

          たつのこ 後編

          たつのこ 前編

          あらすじ 未婚のまま中年になった寿生子。こうなったのは、父の異常な過保護にあったと恨んでいる。両親亡き後、物置から大量の乾燥タツノオトシゴを発見。その夜、タツノオトシゴの姿を借り復活する父。生前と打って変わった語り口で、自分を飼うようにすすめるが、タツノオトシゴの謎については口を割らない。ある日、父の指示に従い水族館に向かうと、父の過去を知る辻井丈治老人と息子の瑞人に出会う。異常愛の理由を彼らを通じて知り、父への感情が揺らぐ寿生子。父はまた、水族館で会う人こそ運命を変える人だ

          たつのこ 前編

          Nの砦 後編

           私と二太郎を、代わる代わる見つめて頭を下げた。 「お願いだ」 「はあ? 申し訳ありません、だろうが。ふざけんな、この野郎!」  二太郎の拳が上がったので、制して話を引き取った。 「待って。あんたには殴らせない。殴ってさよならで済ますわけにいかない。尚人が、どういう言い訳をするか聴いてから、私が殴る」 「ありがとう」また頭を下げると、尚人は少し上ずった声で語り出した。 「まず、最初に謝るべきだね。ごめん。僕はノンフィクションライターだと言うことを隠して、『Nの砦』に入り、ゼロ

          Nの砦 後編