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内受容感覚、自己受容感覚、外受容感覚という言葉を初めて知った
先日のVoicyでの精神科医Kagushunによる放送で知った言葉が、内受容感覚、自己受容感覚、外受容感覚。一番注目していたのは内受容感覚でした。
まずはその意味を調べますと・・
外受容感覚(Exteroception):
これは、外部環境からの刺激を感じ取る感覚です。視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚が含まれます。例えば、目で物を見る、耳で音を聞く、肌で触れる感覚などが外受容感覚に該当します。
自己受容感覚(Proprioception):
これは、自分の体の位置や動きを感じ取る感覚です。筋肉や関節の状態を脳に伝えることで、体のバランスや動きを調整します。例えば、目を閉じていても手がどこにあるか分かるのは自己受容感覚のおかげです。
内受容感覚(Interoception):
これは、体内の状態を感じ取る感覚です。内臓の動きや体温、心拍数などを感じ取ります。例えば、お腹が空いたり、心臓がドキドキする感覚が内受容感覚に関連しています。
その内受容感覚というのは人によって感じ方の強弱があるそうで、同じ痛みでもすごく痛く思える人や、身体自体には感じないのに精神を病む方向に行ってしまう場合もあるのは、良く見受けられます。
ちなみに、内受容感覚の具体例を10個挙げてみます。
空腹感: お腹が空いていると感じること。
満腹感: 食事をしてお腹がいっぱいになったと感じること。
喉の渇き: 水分が足りないと感じること。
心拍数の上昇: 運動や緊張で心臓がドキドキすること。
呼吸の変化: 息切れや深呼吸をしたときの感覚。
体温の変化: 寒さや暑さを感じること。
消化不良: 胃が重い、または痛むと感じること。
疲労感: 体が疲れていると感じること。
痛み: 体のどこかが痛むと感じること。
ストレス: 精神的な緊張や不安を感じること。
私の場合、同じ心臓の動きでもストレスを感じるのは、特に飛行機に乗り遅れるんじゃないかと考えるだけで手が震えてきます・・。これは、心拍数の上昇に伴って不安や緊張を感じるとのこと。
では、内受容感覚と自律神経は同じではないか?と思いましたが、「内受容感覚」は「自律神経」によって調整される体内の状態を感じ取るための感覚というわけです。
**内受容感覚(Interoception)は、体内の状態を感じ取る感覚。これには、心拍数、呼吸、消化、体温などの感覚が含まれ、内受容感覚は、体内のさまざまな器官やシステムからの情報を脳に伝える役割を果たします。
**自律神経(Autonomic Nervous System)は、体の無意識の機能を調整する神経系で、これには、心拍数、呼吸、消化、体温調節などが含まれます。自律神経は交感神経と副交感神経の2つの部分から成り立っており、体のバランスを保つために働きます。
感覚なら鍛えられるかもしれない!と、調べてみたら次のような方法がありました。
マインドフルネス瞑想や呼吸法:
自分の呼吸や体の感覚に意識を集中させることで、内受容感覚を高めることができます。深呼吸や横隔膜呼吸などの呼吸法を実践することで、体の信号に耳を傾けることができます。
ボディスキャン:
体の各部分に意識を向けて、どのように感じるかを観察します。これにより、体内の感覚に対する認識が深まります。
マインドフルイーティング:
食事の際に一口一口をゆっくり味わい、空腹感や満腹感に注意を払うことで、内受容感覚を鍛えることができます
定期的な運動:
ヨガやピラティスなどの運動は、体と心の結びつきを強化し、内受容感覚を高めるのに役立ちます。
ジャーナリング:
日記をつけて、体の感覚や感情を記録することで、内受容感覚の認識を向上させることができます。
リラクゼーション技法:
リラクゼーションやストレッチを行うことで、体内の感覚に対する意識を高めることができます。
自然とのふれあい:
自然の中で過ごす時間を増やすことで、体内の感覚に対する感受性が高まります。
感覚に集中する時間を作る:
日常生活の中で、意識的に自分の体の感覚に集中する時間を設けることが大切です。
腸が弱い私が特に感じるのは食べ物が喉を通って腸の中を駆け巡る感覚です。では内受容感覚が強すぎる人、弱すぎる人の症例を見てみました。
内受容感覚が強すぎる人の症例
不安障害: 内受容感覚が過敏な人は、心拍数や呼吸の変化に敏感で、不安感が増強されることがあります[1]。
パニック障害: 心拍や呼吸の異常な感知がパニック発作を引き起こすことがあります[2]。
過敏性腸症候群(IBS): 腸の動きや不快感に過敏で、腹痛や下痢、便秘などの症状が現れやすいです[1]。
摂食障害: 空腹感や満腹感に対する過敏性が、過食や拒食の要因となることがあります[2]。
HSP(Highly Sensitive Person): 感覚処理感受性が高く、身体の内部状態に対する感受性も高いことが多いです[1]。
内受容感覚が弱すぎる人の症例
うつ病: 内受容フィードバックの低下が、意欲減退や疲労感と関連しています[2]。
アレキシサイミア: 自分の感情や身体の状態を認識する能力が低く、感情表現が乏しい状態です[3]。
自閉スペクトラム症(ASD): 内受容感覚が鈍感で、身体の内部状態に気づきにくいことがあります[3]。
慢性疲労症候群(CFS): 体の疲労感や痛みに対する感受性が低く、症状の認識が遅れることがあります[2]。
糖尿病: 血糖値の変化に対する感受性が低く、低血糖や高血糖の症状に気づきにくいことがあります[2]。
なるほど、よく聞かれる症例が関係しているのですね。これからあなたも「内受容感覚」を鍛えていきませんか?
Reference
[1] HSPの最新論文読み解き|内受容感覚を理解し身体の敏感すぎる反応から解放されよう | Mindfulness News