見出し画像

ステファン・グラッペリと古澤巌

6時に起床して テレビをつけたら、おばあちゃんの前で古澤巌さんがviolinを弾いていました。その音色と歌心に号泣しました。同じviolinなのに音色が歌心に合わせて何色にも変わるのです。特にレガートが素晴らしく驚きました。violinの演奏を聴いて泣いたのは初めてでした。

この演奏を聴きたい方は、「旅するイタリア語古澤厳ニューシネマパラダイス」で検索してみて下さい。

古澤厳さんは、私の大好きなステファン・グラッぺリと共演したCDも出しています。

私は、鼻にかかったviolinの音色は好きではありません。でも、ジャズ・ヴィオリニストのステファン・グラッぺリの音色は例外です。哀愁を帯びたちょっと鼻にかかった音色は好きです。彼の堀の深い強弱となめらかなスイング感とその軽さ、時折忍ばせるハーモニクス、そして歌心は正に超人的です。

晩年のステファン・グラッぺリの公演を日本青年館ホールで鑑賞する最後の貴重な機会を得ました。会場内には高島忠夫ファミリーの姿もありました。彼の演奏はすべてアドリブで自由自在、弓は踊るように歌い奏で、会場はステファン・グラッぺリ・ワールド一色で満たされました。彼はviolinであり、violinは彼でした。

実は、私は古澤厳さんのviolin演奏はあまり好きではありませんでした。ステファン・グラッぺリと共演したCDが原因です。古澤厳さんの演奏は重くクラシック臭さがありました。ステファン・グラッぺリのあの軽やかさには遠く及びませんでした。

でも、朝聴いたあの演奏は違いました。今は亡きステファン・グラッぺリもきっと喜んでいると思います。今、共演していたら私の印象は随分と違っていたことでしょう。

古澤厳さんは、やはり日本を代表する名ヴィオリニストです!


(See you)