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BILLY ELLIOT 2024(19)頭の回転が速い人、それは?

昨日の公演はカムイビリーに絞ってから15回目の観劇になります。

今回の客入りは1階席は舞台に向かって右側の後方に空席がありまましたがほぼ満席の状態でした。2階席は半分近く埋まっていたような感じで平日の月曜日としては良い方だと思います。客層は40代くらいの女性が大半を占め男性客は極端に少なくて落ち着いた雰囲気でした。

今回の私の席は舞台近くのど真ん中でした。幸いにもお客さんによる見切りはありませんでしたが、カムイビリーの頭でトニー役の吉田広大さんの顔が全く観えない場面がありました(笑)。

通路側の席を勧めておきながら言うのも何ですが、ど真ん中の席は良いです。「M-13 Electricity」の場面で指揮者席に迫って来るカムイビリーの迫力を味わえるのはここだけです。私のためだけにパフォーマンスしてくれているという錯覚に陥るのもこの席ならではの特典だと言えます。

私の隣の隣のご婦人が開演前に「シンプルだったらもっと心に入って来るんだけどなー」と私の隣の人に話しかけていました。どの場面のことだか分かりますか?

それは「M-4 Solidarity」です。
私はこれには賛同できません。確かにジョージがジャッキーに「ビリーが4週間もボクシングの練習にきとらん」と言う場面でバレエガールを膝の上に乗せている光景を初めて観る人は頭が混乱するかもしれません。

バレエ教室と外で起きていることを同時に描くという演出担当のスティーヴン・ダルドリーのアイデアは特筆に値する英知そのものです。これをシンプルに描いていたら芸術性のない陳腐な作品になって飽き飽きしてしまうことになっていたでしょう。これは断じて容認できません。

この一つの場面は観客のイマジネーションによって二つの場面に分けられて認識できるように構成されています。つまり、観客のイマジネーションの力に頼っているのです。

私達がこの場面を飽きずに観られるのは4人の英知のお陰です。特にエルトン・ジョンの楽曲は素晴らしいの一言に尽きます。「M-4 Solidarity」は「M-13 Electricity」に次ぐ見せ場なのです。

さて、今回のハプニングは鍵と缶です。前者はカムイビリーで後者はハルトマイケルです。どちらも回収が速くてダメージを最小限に収めていました。しかもカムイビリーは咥える以外の方法で回収していました。これを目の当たりにして二人とも頭の回転の速い人だと思いました。

本多正識さんの記事によれば、頭の回転の速い人には共通点があるそうです。
それは「嫌なこと」を忘れるまでの速度が異常に速いということです。

秒単位で進行して行く
「BILLY ELLIOT THE MUSICAL」にはこの資質が必要だと思います。

ハルトマイケルとレイケヴィンの
「あっちむいてホイ」を観ていて思ったことが二つあります。
一つはストライキが子どもの世界にも波及し亀裂を生むということです。何故ならレビンはスカバの息子だからです。そして、もう一つは遊びです。

あの鍵を両足で挟んで跳ね上げグローブでキャッチするのも遊びだと気づきました。ビリーが思いついた遊びだからこれに一喜一憂するのはもう止めようと思います。