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『水都百景録』を楽しもう「『パリピ孔明』の時代なら、江南は呉だぞ!」


 『パリピ孔明』実写ドラマ版が放映中です。私はすっかりハマりました。原作とアニメは未見ですが、見なければならないと使命感を覚えるほどに!

『三国志』の江南水都は、呉だ

 江南――今は松江府改め上海が中国随一の発展を遂げております。
 とはいえ、中国大陸はまず中原から発展し始めたんですね。だもんで、日本でいうならば卑弥呼、邪馬台国の時代ですと、まだまだ江南は未開の地扱いではあった。
 
 そしてここは日本人としてチェックしたいところ。
 日本が中国の史書にどーんとでた! そういう扱いの『魏志倭人伝』ですね。『三国志』でも魏が、倭国と交流したと記している。これは魏の正統性強調の意もあるとみなされています。
 実際、地理や気候的に近いのは、むしろ呉とされている。ゆえに和服は「呉服」とも呼ばれていたのです。稲作はじめ、日本と共通点は多い。『水都百景録』にどうして倭寇が出てくるのでしょう? 江南が舞台ということもありますね。これが北京舞台なら、そんなに倭寇は出てきません。
 日本と距離が近いことも、江南水都の特徴の一つ。唐伯虎は日本人から注文を受けて納品し、それが京都国立博物館におさめられている。そういう距離感が、江南水都と日本にはあるのです。

 たとえば日本人は稲作の国だと思っている。けれども、中国大陸は南北で穀物生産も変わってくる。そういうところに、距離感が表れています。

 中国の人に「広東語と日本語は発音が似ているね」と言われて驚いたことがあります。そうかな? そう思ったけれども、同じような響きが、中国の北からみるとあるのかもしれない。そう思えば納得できました。普通話を習った自分からすると、広東語は全くわけがわからんほど複雑だけれども。

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