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『水都百景録』を楽しもう!「中国の文人と精神性」

 このアプリの感想で気になったので。

「唐伯虎は科挙主席合格するし(最終試験で冤罪受験資格剥奪)、絵も上手いなんてすごい!」
「蘇東坡は料理もできて詩もできたんだね!」

 すごいといえばそうなのだけれども。中国の文人って、独特の存在ではあるのです。

文徴明は「四絶」

 書画詩文の才能があるから。文をのぞいて「三絶」も。日本では明代の詩は馴染みが薄いため、詩集にはあまり掲載されていません。日本での漢文の読み方は唐代あたりまでを基にしているので、明代ともなると読みにくいということもあります。

 書画は日本でも有名です。書道シリーズには文徴明だけで一巻あるし、中国絵画でも必ず名前が出てくる人物です。

高い精神は万事に発揮される

 これは中国らしい考え方で、高い精神性は琴棋書画はじめ、ありとあらゆるものに発揮されるということだと思います。書道なんかでも心を落ち着かせて集中するように指導されます。テクニックよりも精神性。心の美しさが書や画に出るということですね。

 明代は官僚が政争に長けた実務能力を求められる一方。そうした競争に脱落したものが文人として高い精神性を悪鬼するようになったとされます。
 蘇東坡は官僚でもあり、芸術家でもある。宋代はそういう兼任者が多いけれども、明代はなまじ心清らかだったり要領が悪いと科挙に合格できないか、官僚をやめてしまう。それで文人作家になるケースが多くなったとされています。

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