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日本は歴史的にみて、同性愛に寛大だったのか?
日本は同性愛に寛大と言われているが、同性婚が成立しない。権利が守られていない――そういう疑問をよく見かけます。
そもそも寛容とは何と比較してなのか? どの時代? どの地域? 日本とまとめてよいものなの?
ということを、ちょっと考えてみましょう。
“日本”とまとめると無理がある
歴史的な文脈で“日本”とまとめると、かなり無理があります。ここは素直に、21世紀の日本と定義しないと話がめんどくさくなります。
・時代
・階層や職業
・地域
・性別。男性同士か女性同士か
このあたりで、かなり違いがあります。特に江戸時代以降は、藩によって全く異なるのでややこしい話に。薩摩藩のように男色を推奨し、古代ギリシャに匹敵するとされた地域もあれば、会津藩のように禁止された地域もある。こういう藩政による規定は武士階級に及ぶものであるため、階層によってもまた違う。
薩摩藩の地御愛好のような、美学をもった男色もあれば。
江戸時代初期の江戸のような、男女比が歪んでいたがゆえの機会的同性愛もある。
そこをふまえ、全国と時代を超えて何らかの要素が見出せるとしたら? あるにはあります。
性器同士の接触以外の性行為が、タブーとされなかった。
これが“寛大”の根拠でしょう。国と文化圏によっては、ソドミーは神に叛く大罪として、処罰の対象とされました。日本では肛門性交で堕落したとみなされ、社会的地位を失うようなことはなかった。それだけのことです。
とはいえ……
・男性同士しか認識されない。女性同士はそもそも注目すらされない
・異常性や暗愚であることと結び付けられやすい
・同性愛にかまけて後継を作らなければ軽蔑対象となる
・受け入れる側、女性役とされる側が見下される傾向がある
・未成年や下の立場の者を搾取する性関係だ
・暴力、同意がないものも含まれる
・好奇心の対象とされる
・法的権利がない
こんな要素はあるのですから、差別がない、寛大とは到底言い切れないと思うのですが。ここをふまえますと、
「日本では肛門性交が絶対的なタブー、違法とされてきた歴史はありません」
「とはいえ、日本において同性愛が広く受け入れられ、平等な権利として認められていたことはありません。それは現代でも続いています」
ということでよいのではないでしょうか。
同性愛に寛大な日本はまだ到来していない
同性愛がらみで情けないニュースといえば、近年でもあります。人生相談で、中学生にそんなものは機会的同性愛だと回答する大人。保毛尾田保毛男。
金メダル二個、国民栄誉賞を獲得しようが、中性的な容貌というだけで、こんな暴言を吐かれる。
「羽生結弦はホモ」ビートたけしの発言に中国の羽生ファンも激怒 https://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=675833
日本は同性愛に寛大か? その問いかけに反論するのであれば、材料は十分にあるということです。残念なことに……。
日本が【男色・衆道】に寛容だった説は本当か?平安~江戸時代を振り返る https://bushoojapan.com/jphistory/food-jp/2019/09/20/106409
江戸時代の男色・BLをナメたらアカン! とにかくバイオレンスで甘みゼロ https://bushoojapan.com/jphistory/edo/2020/03/30/100032 #武将ジャパン
薩摩趣味(薩摩の男色)を大河ドラマ『西郷どん』で描くことはできるのか? https://bushoojapan.com/jphistory/baku/2018/04/12/111993 #武将ジャパン
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