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『おちょやん』42 道頓堀に帰ってきたで
1928年(昭和3年)、夏の道頓堀に千代は帰ってきました。
「千代ちゃん!」
四年ぶりで声をかけてもらえます。乞食の小次郎も、「大女優や」と笑ってくれるのでした。
レコードとジャズの時代やで
千代は宮川福助、そしてとみつえと再会します。
「みつえちゃん!」
「みつえや」
そう声を掛け合う二人です。友情は変わらないけど、宮川家の稼業は変わりました。レコードと西洋楽器を売る店に様変わりしております。なんでも福助が両親にすすめてそうしたとか。あの女将だった菊、エプロンをつけ「これからはジャズ!」と勧めています。コーヒーも提供しているとか。モダンですね。
そういう大正から昭和のうつりかわりも興味深いわけですが、これからそう遠くない未来、ジャズも敵性音楽になると思うとおそろしいものがあります。そういう西洋音楽の流行を無視して、貶して、我が国こそ素晴らしい音楽があると方向転換した日本歌謡界もありますけどね。
そういうことを、この前の朝ドラではやったのでしょうか。私はモデルの人生を調べた時点でしらけきったもんです。ドラマ鑑賞は挫折しましたが。
岡安はまだ健在……せやろか?
岡安はどうなのか? 変わらずありました。お家さんことハナは、自分の見識で千代が役者になったとしみじみしている。旦那さんの宗助は久しぶりという気がしないそうです。みつえによれば、それだけ何度も千夜の映画を見ているせいだとか。ごりょんさんのシズは贔屓の清水屋へ向かっています。もう組見はなしにすると告げる清水屋。それでも今まで贔屓にしてもらった礼を言うしかないシズでした。やはり岡安とて、変わらないわけもないのです。
岡安のお茶子たちは、映画トークをしています。高瀬百々之助様と話したことはあるのかと興味津々。桃様フィーバーです。けれども、市川妻五郎もライバルとしているようで、桃様、妻様と推しバトルが発生しております。
そこにごりょんさんが戻り、おしゃべりを嗜めるのです。そして千代を出迎えます。
「おかえり」
今まで使っていた部屋を使わせてくれるそうです。お茶こでもないのにと恐縮する千代に、ここはあんたの家やと返します。千代はお父ちゃんが迷惑をかけたと返す。わてだけでなく道頓堀のみんなが助けたとシズは返します。金を返すのではない恩返しのたにハッパをかけてくるシズ。ええ芝居をするように言われると、千代はさらに大きなことを言います。主役をはれるような役者になると。千代はどんどん大きくなる人です。
プレッシャーに弱い人もいれば、それでかえって強くなる人もいる。千代は前者のようです。
岡安はずっとこのままでいるとシズは力強く返します。とはいえ、これも上方芸能界を思えばゾッとするような話ではある。吉本の独占。そして戦争。激動の時代が訪れます。そういう意味では賛否両論であろう吉本を持ち上げてしまったNHK大阪の罪滅ぼしも感じます。
千代は岡安に落ち着き,母の写真を取り出して置くのです。ヨシヲを連れ戻すと語りかけます。家族を取り戻すために女優になって、新しい家族のような存在を見つけた千代……って、せやろか? 感動をぶち壊しにする新展開がまっとったで。
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『週刊おちょやん武者震レビュー』
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