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『おちょやん』4 愛が生まれ、喪失が芽生える

 ヨシヲがいない! 帰宅した千代とテルヲは焦ります。しかし、留守を一緒にしていたはずの栗子は無関心なのです。

「だんない」と言い切り、弟を探す

 ここで、今すぐ警察に通報しなくちゃいけないとなるのは、あなたが現代人だから。懐中電灯すらない時代に雨の夜です。朝まで待って山探しに。これが北海道ならば、ヒグマもいるし、冬だともっと危険極まりない。『なつぞら』でのなつが戻らなかった時と比較しましょう。実際に、北海道ではそういう悲しい事故があったものです。
 ここで小林さんのおばちゃんが、千代の「だんない」と言います。おっ? 本作のキーワードか?
 これはええ河内弁や。北海道なら「なんも」、会津弁なら「さすけね」。標準語なら「構わない」や「問題ない」、いわばノープロブレムと言い切る表現においては、方言の方が味があるものです。この言葉が今後どれだけ出てくるかやね。
 ほんで河内弁は、「何さらしてけつかんねん!」のような、怖いイメージが強いものでして。やらかい語彙をトレードマークにしたら、イメージアップにもなる。ええ受信料の使い方やね。

栗子という女は……

 じゃあ当時、警察はいないのか? おります。駐在さんがやってきて、留守している栗子と小林のおばちゃんに聞いてくる。とはいえ、あまり役立ちそうもない感はある。当時人海戦術を使えるのは、むしろ民間かもしれない。駐在さんが栗子がちゃんと見ていないことに苦言を呈すると、栗子は小林の家に行ったからそっちが悪いと責任転嫁します。千代には優しい小林さんのおばちゃんも、栗子にはきつい。こう言い切ります。

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2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.com/

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