見出し画像

『水都百景録』を楽しもう!「中国と日本の正月」

 今回は新年ということで、お祝いの日中間の共通点など考えてみたいと思います。

屠蘇

 屠蘇――これを正月に飲めば無病でいられるという、東洋医学に基づくもの。考案したのは『三国志』でもおなじみの名医・華佗とされています。
 それが平安時代に日本に伝わり、朝廷で飲まれ始めました。時代がくだるにつれ、全国の庶民にまで広まったのです。

 中国語圏の方に「お屠蘇は飲むの?」と聞いたら「えー、もうないよ!」と言われました。どうやら宋代まではあったようですが。
 中国は元代に廃れてしまった伝統があります。屠蘇もそうなのでしょう。
 文徴明ら明人は「そんなことあるって文献にあったねえ」となる。漢代の蘇武と王昭君あたりは「そんなのあるんだ!」となる。阮籍と嵆康は「流行してんねそーゆーの! でも俺らはふつーの酒か五石散!(当時のドラッグ)」ってなりそう。

ここから先は

959字
『水都百景録』をまったりと楽しむポイントや歴史トリビアなど。

『水都百景録』を楽しもう!

¥100 / 月 初月無料

『水都百景録』の攻略というか考察など。

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!