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『水都百景録』を楽しもう!「湖広熟すれば天下足る」

 『水都百景録』って、明代が舞台じゃないですか。
 で、改めて考えたい。
「ぶっちゃけ明代って、どーよ?」

一般的な日本人にとっての明代は、イマイチ影が薄いのでは?

 せいぜいがフォントの「明朝体」ってところですかね。

秦:始皇帝の『キングダム』で上昇中
漢:項羽と劉邦はそれなりの知名度。なんてったって「漢字」
三国時代:『三国志』がおなじみ。諸葛孔明くらい、知っている人は多いと思う
唐:ぼんやり「昔の中国」というと思い浮かぶ時代。楊貴妃は人気
宋:『水滸伝』の知名度はそれなりにある
元:チンギス・ハンクライ知ってるよね!
明:うーん……
清:弁髪。日清戦争

 明はイメージ薄いね。きっと薄いよ!

東洋史に詳しい人からすると

 東洋史好きだと、一般人と違い、むしろ三国時代にアレルギーがあったりしますね。じゃあ明は?

「ぶっちゃけ明、語るべきことなくね?」
 ってなるんだよなー! つまんない。政治史サイテーってなる。
 唐は言うまでもなく日本にとっては重要だし。宋は政治的に素晴らしく、朱子学は東洋政治の基本。元は世界的に広がりがある。清は中華王朝最後の輝きがある。

 で、明は。
「文化的にはいいけど、政治的には、どうよ?」
 ってなる。わかる。そうなるよね!

 そんな明の魅力を考えたい……ネタとしてだけでなく。

明代江南の豊穣

 これが『水都百景録』のテーマの気がしますが。
 明代は商業が発達し、特に江南は当時世界最高峰の賑わいを見せます。そこで生まれるオルタナティブな生き方がある。文人が自作を売れば食べていけるようになったわけで、科挙に合格して官僚にならなくてもいいと思うようになりました。
 ちなみにこれは、朱元璋が江南にさまざまな嫌がらせをした結果でもあります。

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