『水都百景録』を楽しもう　禅僧に学ぶ日本の武士

　戦国武将の指導にあたる人々は、禅僧が多いものです。日本史好きならそういうものだと受け流しそうになりますが、果たしてこれはそういうものなのでしょうか？

中国では仏僧がトップ知識人ということはない

　中国でも名僧はおり、敬愛を集めているものの、教師という像にはなりません。
　科挙が将来を決定する中国の場合、受験ノウハウを身につけるわけでもない仏僧は教師になりません。明代以降は国家の理想に沿う人材が求められるため、科挙突破を目指す府学の時点で、朝廷の方針を反映した教育カリキュラムとなります。そんな俗世の学問と仏教は当然のことながら一致しません。

　じゃあどうして、日本では仏僧が教師となるのでしょう？