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『おちょやん』51 福富ロミオと岡安ジュリエット

 鶴亀家庭劇、成功や! 大山社長から、次は一ヶ月後、えびす座でやると告げられます。めでたしめでたし!

鶴亀家庭劇、軌道に乗る

 千之助も、脚本に文句をつけないどころか、これでやれと言ってくる。ただ、手直し入れるそうです。ええ着地点や!
 頭ごなしに貶すわけでもない。かといって、全面的に受け入れるわけでもない。成長したな!
 どこかやる気のなかったルリ子、小山田、香里もノリノリです。香里は歌うわ、小山田は人情噺が得意だと言い出すわ。ええやんか! 乗ってきたな。こういう自分にできることを言い出すっちゅうことは火がついてきたわけですよ。

 マスコミの評判も上々! 岡安では宗助が劇評掲載されたと見せてきます。食事中とたしなめられても止まらない。大評判だそうです。ここできっちりと、鶴亀家庭劇が成功すれば道頓堀全体が賑わうというところがえらい。岡安が儲かるちゅう噺も大事ですけれども、かれらは自分たちだけやのうて、皆さんに恩返しすることも考えてます。責任感あるなぁ。

岡安一家もご機嫌

 千代もご機嫌で、漬物を一平にあげようとしています。気持ち悪い、えこひいきせえへんと一平は困惑しています。千代はここで、自分に一票入れてくれたのはみつえやろなぁとニコニコしとります。それを周囲がみつえは一平に入れたとバラす。千代は女の友情は浅はかなもんやと嘆きますが、偏見を裏手にとってギャグにしとってセンスが冴えてますよね。千代とみつえは根底に友情があるからこそ茶化せると思う。
 ここでごりょんさんに感想を振ると、最低だったと言い出します。といっても、それは隣が福富の菊だから。芝居そのものはよかったそうですよ。
 家庭劇のおかげで常連さんも増えると言い出します。ちょうどそこへ電話がかかってきます。

 やはり本作は鉄壁の作りやね。
 みつえの一平への気持ちを、投票云々で匂わせる。ついでに、岡安と福富はやっぱり仲間が最悪だとも詰め込む。今週の展開を、今週から見る人でもわかりやすくする。そういうコンパクトで手堅い構成が光ります。
 あと一平が無愛想なのがよろし。何考えとるのかわからへん。ニコニコしないし、思ってることをペラペラしゃべらんでしょ。でも賢い、勉強熱心とわかる。リアリティのある賢い人やね。これは千代もそう。

みつえに縁談が

 電話の用件は意外なものでした。八洲の旦那から、千代に縁談やて。料亭の日向屋の息子さんで、ええ話やそうです。そりゃ岡安からすれば料亭と姻戚関係になるとすればよいことづくし。早速シズがうれしそうに伝え、宗助も同意しています。けれどもみつえは、「ちょっと考えさせて」と断ります。
 ははあ、みつえは一平が好きやしなぁ。そうなると。

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2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.com/

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