欧州放浪記_5日目

昨日の夜の満足感から、昼までダラダラしてしまう。
友人との旅行の計画とサッカー観戦の計画がとん挫し、すこし目の前が暗くなった僕は、また不安と孤独が襲う。

何かしないといけないと僕は音楽を聴きに行くことにする。
ロンドンのパブの中に併設されているコンサート上は、ガタイのいいおじさんが多く、入る場所を間違えたかとビビる。
コンサートが始まるとその不安はすぐに消える。ロックとそれを愛するおじさんとが作る会場のグルーブが心地よく、またそれを東京から遠く離れた地で聞いている奇跡を感じて、また生きている実感を得る。旅の満足感。

会場にとてもきれいな白人女性を見つける。その場の空気にそぐわない彼女が放つオーラに一目惚れする。
少し近づいて話すタイミングを探すも勇気が出ず、彼女はかえってしまう。
自分の殻を破ることも大きな旅のテーマの一つであることを再認識するとともに、恋愛感情というものも自分のネガティブを打ち消しくれるものであることを思い知る。あたりまえかもしれないが、その当たり前のメカニズムに改めて気づくことが旅の魅力かもしれない。

思えば、こちらでは老若男女問わずパートナーがイチャイチャしている光景をよく目にする。シンプルに羨ましい。東京にいるあの子は自分のそれになってくれるのかしら。

5日目。そろそろ次の目的地を探す必要がある。
行きたい場所などいくらでもあるから、旅の目的をかなえやすい土地を選ぶことにする。
まだまだネガとポジを繰り替えしながらの日々。毎日家に帰りたいと思う。
一方で帰ったときに自分を迎え入れてくれる場所が確実にあることが、もう1日頑張ろうと思わせてくれているのも確かである。徐々にコツをつかみながら、一進一退を繰り返しながら、旅をもうすこし続けることにするか。


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