欧州放浪記_3日目

2日目の穏やかな状態を引きずった僕は、お昼くらいまでホテルで過ごす。
案の定、また不安と孤独が押し寄せてくる。また、ロンドンまで来てボーとしている焦りも交じってきている。この感情を愛することと昇華することが僕の旅のお作法。一人で上手にこの感情を操れるほど成熟してない僕は、すぐに人に会いに出かける。

向かった先は、日本人と外国のハーフが集う音楽のイベントであった。
ここで僕は幸運にもフレンドリーな女性二人と知り合い、英語で会話をする。そこに、野外の開放感とともにチルな音楽がかかる。この瞬間に生きている実感をかみしめることができる。
どうやら、僕にとって人と交流することと音楽というのが自分のネガティブな感情を打ち消し、生きている実感を与えてくれるものであるのだと気づく。
旅とは人生であり、人生とは旅であるという名言があるが、いまいちピンと来ていなかった。しかし、この時僕はこの言葉の意味がよく理解できた気がした。旅は、自分の普段の生活から余計なものをそぎ落とし、自分の心に生じるマイナスな感情とプラスな感情が何か、そしてそこから自分がどのような人間で、どのような行動をとる人間なのか、つまりは自分の人生とは何なのかということを教えてくれるのだと知る。


夜食べたフィッシュアンドチップスはまずい。そして高い。

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