【漫画】ウマ娘?令和版みどりのマキバオー?名作の予感がする『転生競走馬 エッチマン』(1巻)
こんにちは、ごみくずです。
漫画感想文も何度か書きましたが、自分が「面白い!」と思った作品は力を入れて書いてしまうのでかなり時間が取られますね。
ですが2巻以降はネタバレを含まない様に簡単になっていく予定なので、いい作品はやはり力入れて書こうと思います。
広まって欲しいですので。
さて、四回目の漫画のレビューは、最近の注目株な転生競馬漫画です。
早速見ていきましょう。
第四回目は『転生競走馬 エッチマン』1巻から
【第1巻の個人的な評価】
※5段階評価で普通が3。数字が少ない程低評価。
なお、エログロ評価は低い方が安心安全です。
評価★4
エロ★5
グロ★1
この作品も1巻無料から知りました。
漫画雑誌は買わないので、新しい漫画を知るのは基本的にこのスタイルです。その為、本作の創作者の前後情報は知らない状態でこのレビューを書いています。面白いという認識だけで。
この表紙、ウマ娘ですよね?
次に進みます。
今大人気のウマ娘の漫画
実在する競走馬の数奇な生涯を元に、馬を少女にする事で主体的な意志や感情を持たせ、感動物語として昇華させた事で一大ムーブメントとなり、競馬を全く知らないような美少女アニメオタクの人々までを競馬に引き込んだ『ウマ娘』。
その存在は「名馬が異世界に転生した姿」であると言います。
『転生競走馬 エッチマン』
このお話は、数奇な生涯を送ったウマ娘のエロ漫画
お詫び
のようにも表紙からは見えますが、正直ウマ娘とは全く関係がありません。
表紙が紛らわしい!!!
そしてエロ漫画です。
エロ漫画なのですが、エロ意外のレースシーンは激熱展開で目が離せません。
更に見ていきましょう。
本当は騎手目線の競走馬物語
この作品の転生は「騎手→競走馬」であり、そして転生をするのはこの二人。
なお、主人公は文波皇馬です。
半村翼は皇馬と同期。
翼は常に皇馬から身体を狙われていますが、そんな皇馬も馬を追う腕は確かで、騎手としては勝利に真摯で負けん気があり、信頼に足りるジョッキー。エッチマンでなければかなり熱い主人公です。
或る日の中山競馬場。レース中直線で二人が競り合う場面で、前の逃げ馬が一杯になって転倒。巻き込まれた二人は豪快に宙を舞い地面に落下。
意識が遠のく中、生を懇願する先に見えた顔は当に皇馬を待っていたかのような顔をしています。
大事故の後、気が付けばなんと競走馬へ転生。
本来ならここで絶望するは筈なのですが、実は皇馬にはメリットもありました。
彼は人間の頃短小過ぎる情けない一物に悩んでおり、本人の性格もあってか彼女もおらず、金銭で女性の優しさを購入していました。しかしそこでも馬鹿にされ辛酸を舐める日々を送っており、遣る瀬無い想いから「ウマ並が欲しい」と祈る夜もあるのでした。
しかし馬になった今となっては言葉通りの「ウマ並」の一物を所有する事となります。
とはいえ、巨根を手に入れた所で人間の女性と関係を持てるわけではなく、牝馬と人間に欲情すれど何もない為悶々とした日々を送ります。ある意味夢は叶ったが報われない日々。彼はこの性欲をどう解決していくのでしょうか。
デビュー、そして再会
彼は人間の言葉しか分からないので、他馬に混ざる事は無く、自らの経験から自分を調教し、牧場主に注目されるようになります。
そして順調に育成され、牧場主の馬として入厩。
デビュー戦で前を歩く魅力的なお尻の牝馬にムラッ気をみせ絡むと、今まで出会わなかった「自分の言葉が分かる馬」であり、それが翼という事が判明。
馬翼は馬皇馬に気になる事を言い残します。
ちなみに、凱旋門賞が分からない方はこちらをご参照ください。
フランスはロンシャン競馬場で開催される世界有数の権威あるレースで、凱旋門賞に勝つ事は世界のホースマンにとって最も栄誉な事、と言えるでしょうか。
なお、凱旋門賞に勝つというのは生半可な事ではありません。
スピード競馬のドバイやアメリカのターフならば日本馬には適正があり実際好成績を残していますが、芝が深く力を使うロンシャンの馬場で行われる凱旋門賞で日本馬が勝った事は無く、延べ30頭程出走していると思いますが、勝ち負けでさえ2021年時点で3頭4回しかないという現実的には高いハードルがあります。
しかしその現実をして、負ける事は余り考えていないのが皇馬の主人公らしい所と言えます。
馬になった「皇馬」の目標と競走馬のシビアなリアル
「凱旋門賞に勝てば人間に戻れる」というのは、後に翼の夜の夢の中での出来事であるというのが判明。本当かどうか確証が掴めません。
万が一人間に戻れなかった場合、競走馬には経済動物としてのシビアな未来が待っており、牡馬の場合、好成績を残し種牡馬にでもなれない限りは殆どの行先は食用か肥料。去勢され乗馬として余生を過ごせるのはまだましな方で、競走馬引退後、長く生きられるのは一握り、全体の1割もいないでしょう。
では、牝馬はどうかというと、繫殖に上がれる為牡馬よりは生存確率は高いですが、ほぼ毎年様々な牡馬と強制的に種付けされます。それは牝馬の感情や意志は無視され行わる為、翼のように人間の感情が残った牝馬であれば尚更辛い半生でしょう。
しかし、牝馬目線では交配は辛い現実ですが、皇馬にとっては救済であり、ディープインパクト級の名馬となれば毎年の様にハーレムを形成し、念願の翼とも毎年の様に交配できる可能性もでてきます。
となれば、皇馬にとっての目標は「好成績を上げ名馬として種牡馬入りする」為に走る事、この一択となります。やっぱりエッチマンか、ともなりますが、実際そこしか選択肢はないですよね。さもありなん、というところです。
ちなみに、競走馬のリアルで言うと、補足としてこんな興味深い記事もありますので、ご興味あればご覧ください。
だからこそ競走馬は尊く、神々しく、美しい光を放ち、見るものに感動を与えるのかもしれません。
金字塔『みどりのマキバオー』を思い起こす
こんなふざけた所のある作品ですが、一番の魅せ場は、白熱する「レースシーン」に他なりません。
1巻はレースが2本しかありませんが、道中の駆け引きやゴール前の叩き合いの描写は、競馬漫画の金字塔『みどりのマキバオー』を彷彿とさせるものがあります。
そして、馬皇馬のパートナーである福田騎手。
ジョッキー5年目で元々素質がありG1 勝ちも期待されていましたが、3年前の皇馬と翼の落馬事故を真後ろで体験して以来、馬群恐怖症となってしまい、それ以来勝ちから遠ざかり廃業寸前となっていました。
馬皇馬の騎乗ミス等で所属厩舎からも信頼を失ってしまい、自信喪失し後の無い福田騎手。
実は騎手時代の皇馬を尊敬しており、彼を目指していたことが判明。
厩舎から素質馬として扱われトップジョッキーを鞍上に迎えられるも、馬皇馬は拒否し、彼女を自ら鞍上に乗せ、育てる決意をします。
本当にエッチマンでなければ最高に熱い漢なのですが。。。
しかしこの福田騎手の設定も、思い当たる節があります。
そう、マキバオーの掛け替えのないパートナー、山本菅助その人です。
新人騎手だった菅助は、自分に初めて勝利をくれたフウリンカザン号をとても可愛がっており、互いに信頼していました。しかし幸福の絶頂の中、不幸にもレース中転倒し骨折。カザンは予後不要(安楽死)となり、そのトラウマから菅助は馬上恐怖症となってしまい、馬に跨れず、こちらも廃業寸前となります。
その彼を救ったのがマキバオーであり、彼をマキバオー専属騎手とした所属厩舎の調教師、飯富昌虎でした。
この作品は、こういった挫折や人のつながりも同時に描いていきます。
もしかしたら『令和版みどりのマキバオー』と言えるかもしれません。エッチマンでなければ。
他にも、廃用寸前の素質馬と、かつての輝きを失い引退間近のベテラン騎手の出会いも、琴線に触れたような感覚になります。
浅はかな性的描写や目の回るような恋愛模様を前面に出しつつも、マキバオーで体験したような、情熱、悲劇や挫折、祈り、そして人の絆や想いを根底にして描いている点がこの漫画の魅力であります。
エッチマンな事を差し引けば、十分に名作に成り得る作品であると考えます。
この馬名どうにかして…
今後の伏線
物語導入部で気になったこのシーン。
確実に酷い事を言われたのですが、この涙の意味がこの巻の時点では分かりません。碇谷騎手は何を言ったのか。
エロ漫画かもしれませんが、もっと先を読む意味はあるようです。
正直、2巻から更に面白くなっていくので、次に行きたいと思います。恋愛模様も複雑化して笑いとエロと熱量が益々上がっていき目が離せない。
近々3巻が発売するようなのでとても楽しみです。
その前に、まだ読まれていない方、興味があれば読んでみてください。
競馬漫画は好きだがエロは苦手、という方も2巻まで頑張って読みましょう。
また更新しますので、次もお読みいただけますと幸甚です。
それでは良い一日を。
なお、コメントだけ有料にさせていただきます。
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