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【漫画】コンビニグルメに「異常な程のひと手間」を掛ける『コンビニお嬢さま』(1巻)

こんにちは、ごみくずです。
このレビューは有料表示になっていますが、記事は全て無料で読めます。
無為なコメントを避ける為にコメントのみ有料としているので、安心して読んでいただければ幸甚です。

今回ご紹介する作品は、最近無料で読んだ気になる作品を。

「コンビニグルメにひと手間かけてさらにおいしく」という話です。

それでは見ていきましょう。

第十二回目は『コンビニお嬢さま』(1巻)から

『コンビニお嬢さま』(松本明澄/講談社)第1巻表紙を引用
絵が巧いですね

【個人的な評価】
※5段階評価で普通が3。数字が少ない程低評価。
なお、エログロ評価は低い方が安心安全です。
評価★3
エロ★1
グロ★1

なお、この作品は6巻で完結しています。
現在1巻までしか読んでおりませんが、今後読んでいきたいので取り上げました。

作者は松本明澄さんという方ですが、他の作品を拝読していない状況からレビューを書くので考察不足はご容赦願います。

あらすじ


主人公は女子高に通う高校2年生『兎月翠里』

生家は良家であり、良家の娘としての教育を受けた、自他共に認めるお嬢様。
級友から「花を食べていそう」と言われる程の、当に大和撫子という佇まいの美少女です。

『コンビニお嬢さま』(松本明澄/講談社)第1巻より引用


母の教育が厳しく、世俗的なものから距離を置いて生きてきました。
小さい頃から母に言いつけられた質素倹約の教えを忠実に守ってきたため、帰り道無駄遣いする事、そしてそれに付随する「買い食いをする事」を禁じられてきました

買い食いがダメ、という事は、つまりコンビニも遠ざけられてきた、という事です。ラーメン屋等も入った事がありません。

ただ最近は違います。
好奇心には逆らえず、親元を離れた事もあり、噂を恐れながらも変装してコンビニに立ち寄ります。噂が親に伝わったら一大事ですからね。

ちなみに今彼女はお腹が減っています。

『コンビニお嬢さま』(松本明澄/講談社)第1巻より引用
『コンビニお嬢さま』(松本明澄/講談社)第1巻より引用

翠里は肉まんに惹かれたようですが、さて、翠里は我らのようにコンビニの外で肉まんを頬張るのか?

否、持って帰ります。

正確に言うと、今回は「誘惑に負け、外でこっそり食べようとしたが、級友に会った為そのまま家に持って帰った」という状況。

余程親が厳しかったのでしょう。新生活を機にあまり砕けるような事はしないのでした。

「ひと手間」どころでは無いひと手間

この後、肉まん以外にも数多くの商品が出てきますが、馴染みの深い食品たちが驚きの変貌を遂げます。
かなり手が込んでいて、もうこれ料理じゃないか?という程です。

例えばこれとか。

『コンビニお嬢さま』(松本明澄/講談社)第1巻より引用

この発想には度肝を抜かれました。こんな事できるのか。。

このほかのメニューについても、かなり手間がかかっており、読者が同様の内容を再現するかどうかは別問題かと思いましたが、こんな発想は無かったです。

1巻の中で作者が一言添えていますが、全て作者が作って試しており、この発想は作者自体が考えたのか、それともゴーストではないですが名前が出ない料理人が助言しているのか、というのが気になります。

ここまで作者が作れるのか?というのが正直信じがたい程の発想の引き出しを感じます。

手早く食べられる事を前提として存在しているコンビニ食を、調理し直すという奇抜な発想と,、調理についての豊かな引き出しが光る。
この発想と引き出しが、この作品の魅力と言えそうです。

翠里の背景や過去をもっと盛り込んで欲しい

お嬢様のアイコンである日本舞踊の稽古場面がある為、それなりお嬢さまには見えるのですが、実家がどんな良家なのかが描かれないのが共感に繋がらず、少し感情移入がし辛いなと思いました。冒頭にもう少し情報が欲しい。

『良家』と言っても色々ありますからね。
京都出身なのであれば、古式ゆかしい作法の家柄なのか、日本舞踊家か、茶道家なのか、元貴族なのか、老舗の和菓子屋の娘なのか、大きな神社仏閣を継ぐ家柄なのか。などなど。

新興資産家の娘というわけでは無さそうですが、しかしその生い立ちが最初に出てこないと、コンビニに憚りながらも来店する程の渇望の起源が分からないので、無理にお嬢様にしなくても良かった気もするな、と思ってしまいました。

まあ、この辺は先々描かれるのでしょうか?
今のところは、これだけ料理が得意という点から、老舗料亭の娘のような気もしますが。。。いや、単に花嫁修業の結果かもしれないし…。

原因は、翠里の生い立ちや現在の状況がテンプレ優先で冒頭に大分省かれたせいかと思いますが、コンビニに入るようになった経緯等の説明も薄く「実家だと絶対に食べられない」と一言出る程度なので、翠里の開放の転機と罪悪感にイマイチ共感できず、暫く読み進めてもしっくり来ない時間が長い。そこが残念というか。

しかし巻末近くで、連載を続ける上で必要な人間関係を盛り込み始めた為、2巻以降は周囲との関係性や自己開示のタイミングも気になりますし、そして新たなメニューも楽しみですので、読み進めてみようとおもいます。

また更新しますので、次もお読みいただけますと幸甚です。
それでは良い一日を。

なお、コメントだけ有料にさせていただきます。

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