前日は特に体調に変化は無かったのに

昨日の朝、目が覚めると
暑くて仕方が無かった。

頭が回らない、暑いのに鼻水が出る。
喉が痛い。ふらふらする。
部屋着は汗でびちょびちょ。


恋人が「熱測って。」と言う
声がいつもよりゆっくりしている気がした。

39.6

「今日仕事休みなよ。」

恋人が言う
「そうする。」と言って
職場に電話をかける。

繋がらない。

仕方が無いので従業員用ではなく
直接受付に繋がる電話番号を調べて
再度電話をかける。


繋がらない。

あまりメールで連絡はしたくなかったけど
それ以外に方法が無かったので
メールで連絡。



返信は来なかった。

取り敢えず連絡はしたから
大丈夫だろう、もう一度目覚めたら
再度電話をかけようと思い

恋人が作ってくれたおかゆと
風邪薬を飲む。

うつしてはいけないし
もしかしたら風邪ではないかもしれないから
父と恋人にはマスクのお願い。
そして私は自室にこもり
仕事前なのに恋人には申し訳なかったけど
それ以外の場所の除菌と掃除をお願いした。

父にはそれが終わるまで
外で時間を潰してきてもらった。


職場からメールの返信が来ていた。


こういった連絡はメールではなく
電話でお願い致します。


電話に出ないからメールにしたんだけどな。
と思いつつ
下に書いてあった電話番号にかける。




やっぱり繋がらない。


「繋がらないんだけど…。」
恋人に少し弱音を吐く。

「何度もかけているし、メールの返信も来てるなら
大丈夫。お昼頃もう1度かけ直してみよう。
その時にはまた熱を測って
お昼ご飯も作っていくからきちんと食べるんだよ。」

恋人が励ましてくれる。
ありがとう。とお礼を伝えて
目を閉じる。


「起きて。」と恋人に起こされる。
時間は13:30、恋人は仕事を休んで
恋人の母に連絡したらしい。

恋人の家は医療家系で
お母様は看護師として働いてる。

「連絡したら母さんの病院で診て
すぐ検査してくれるらしいから
動くの大変かもしれないけど行こう。
俺が運転するし一緒に検査受けるから大丈夫。」

そうして病院に連れてってもらい
ただの風邪だと診断を受けた。

「働きすぎ、すごい疲れてるでしょ。
だめだよ。身体には気をつけてね。お大事に。」

お母様にまで心配された。

ありがとうございます。
と一言お礼を言って
また職場に電話をかける。

朝から今までだいぶ時間が経っているのに
折り返しの電話も、連絡も無かった。
でも今回はやっと電話が繋がって
上司が出てくれた。

「お疲れ様です、本日出勤予定だった○○です。
連絡が遅くなってしまい申し訳ございません。
熱が出てしまって、お休みさせて頂きます。」

「何してんの?」

「はい?」

「今何時だと思ってるの?
体調不良なんて前日からわかるでしょ
そんなもの前日から代わりに出勤する人を
探すのが当たり前じゃない?
こんな急に休まれると一緒に働けないよ。
ここで働く意志はあるの?
取り敢えず今すぐうちの制服を返しに来て下さい。」



他にも色々言われた。
言い返せるほど精神状態も良くなかったし
頭も回らなかった。

上司の声が大きかったからか
恋人にも聞こえたらしく
運転が荒くなった。


今すぐ制服を返しに来いと言われて
恋人にお願いしても良いですか?と
上司に相談したけど
本人以外から受け取れないとの事で
別日になった。

制服を返すのだから
もちろん、職無し。またニート。


何度も連絡したのに無断欠勤になるらしい。

この職場はやってみたかった職業で
働いてて楽しかったから悲しい。



電話が終わってから
恋人は黙ってずっとそばに居てくれた。

途中で「少し寄り道してもいい?」と言って
31のアイスと
ビアードパパのシュークリームを買ってくれた。

私は31のアイスを食べながら
ちょっとだけ泣いた。


家に着いてからも
恋人は深くは聞いてこなかった。
父は恋人から何か聞いたのか

「治ったら海鮮鍋を食べよう。
たまごのおかゆを作ってみたんだ
デザートもいっぱい買ったから
ご飯の後に食べよう!」

料理が下手くそな父が作ったおかゆは
焦げまくっていて苦かったし硬かったけど
美味しかった。



しばらくして職場からメールで
「制服を郵送で送ってほしい。」
と連絡があった。
「かしこまりました。」とだけ送った







liru.

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