241002
病院の帰り道、夕方の空が淡く柔らかくなっていることに気づいて、甘い香りがほんのり漂ってきた。まだ汗ばむ気温だけど、いちばん大好きな秋の気配に心が躍った。
(こんな始まりで書いていたのに次の日には肌寒くて、なんてせっかちなんだい……長く楽しみたいからもう少しゆっくりしてってくださいな。)
友人の中でもいちばん''太陽''とか''向日葵''とかいう言葉がぴったりな、ビタミンたっぷりの大好きな子から秋の贈り物が届いた。ずっと気になっていたお店の香水、読んでみたかった本たち。お手紙のデザインにもあたたかさを込めてくれ、贈り物が詰まっていたダンボールには丁寧に絵を描いて色を塗ってくれていた。その健気さが愛らしくて元気が出た。香水を纏うたび、本を開くたびに、この子に想いを馳せながら過ごすんだろうな。
彼女は、10月から少しだけ環境が変わる私のために、お互いの好きなアーティストの曲と、「自分を変えたいと思った日が誕生日で、何度だって誕生日は迎えられるよ。」という言葉を手紙にしたためてくれていた。
以前、誕生日になるとこわくて泣いてしまうんだとどこかに書いたことがあって、彼女がそれを覚えてくれていたかは分からないけど、どんな瞬間も見てくれていた子がこの曲で祝福してくれたことがとても嬉しかった。歳だけとって自分は何も成長してないように感じてこわくなるけど、変わりたい日が誕生日だと思えばその恐怖が少し和らぐ。思い返せば、彼女だから素直に受け止められた言葉たちがたくさんあった。「頑張ろう」とかそんな言葉は昔より慎重に使うようになったけど、彼女とならそんな眩しすぎる言葉もあたりまえに使える。
数年後の私たちはどんなふうになってるかな。そのときも一緒に過ごせているといいな。