途上国でゼロからスタッフを育成した大学生の組織論ー本編1ー
正直、短い文章ですべて書くのは無理なので大事だと思ったことを書こうと思っています。この文章は、自分のあとを継ぐ一人の大学生、またその後も続くであろう人々へ宛てて書きます。
ー前提ー
カンボジアの貧しい子どもたちに、夢や将来の可能性が広がる日本の映画を届ける活動を、自分は今しています。
カンボジアは、1980年代の内戦で文化を人だけではなく文化も失いました。以前は、国王が自ら映画を作るほど映画文化が栄えていた国でした。それが今では、全土に10数館しかなく多くが稼働していない現状。そして、農村部に行けば映画館などありません。そんな中で、自分たちはストーリー性の高い作品を現地の言葉に吹き替えて上映しています。
一つ前で、なんで自分がこの活動をカンボジアでローカライズを始めたのか。
そして、活動への思いを書いています。
https://note.mu/5296tatsu/n/nd172d8d15c52
それでは、本番に入っていきます。
自分がカンボジアで一年間住み、ゼロからスタッフを育成してきた観点からの組織論を.....。
組織を壊すのも、育てるのも、君次第
自分の持論として、組織が崩壊したり、活動が停滞したりするときの一番の要因は、マネージメントする側の怠惰や能力不足だと思っています。ていうか、スタッフや事業部の失敗は、マネージメント側の失敗といっても過言ではない。
組織は、生き物とはよくいったもので。
きっと、初めて組織を本格的に動かす立場になるあなたは困惑することがたくさんあると思う。
思うように、スタッフが動いてくれない。
スタッフのモチベーションが全然上がらない
時には、サボるスタッフもいるかもしれない....etc..
先に言っておくが、スタッフは君の右腕にはなれるが、駒ではない。
そんなこと言われなくても、わかってるって言われるかもしれないけど、
肝に銘じておかないと気づいたら君はスタッフを駒と勘違いして、
突っ走るときがくると思う。
実際に、自分にも何度もそんなときがあったから。
ただ、駒のように接し始めたとき。
全ての物事があさっての方向に進み始める。
これは、断言できる。
そうならないためにどうしたらいいのか。
自分でも明確な答えはそんなに多くない。
でも、やはりスタッフのことを本気で考えることが最優先だと思う。
注意して欲しいのは、甘やかしたり褒めることだけが、
スタッフのことを考えているという意味ではないこと。
一人一人の性格や、得意・不得意。
しっかり、こちらが認識すること。
それを踏まえて、仕事を振ったり、新しいことを始めたり。
文字にするのは簡単だけど、
これするだけで本当に精神的にも肉体的にも疲れると思う。
気づいたら、家族の面倒みることになってたり...
気づいたら、よくわからないトラブルに巻き揉まれたり...
でも、きっとマネージメントする側、特に小さな組織の間はそれが大切なんだと思う。そうやって、一人一人の子どもみたいなスタッフと信頼関係を作ってくことが、活動の成功につながるはず。
ここで、参考までに信頼関係の構築の為に自分がしたことを。
① 食事を一緒にする
これは、効果がすごい。
食事の時に、リラックスし世間話をしている間に気づけば、
そこから、スタッフ一人一人のものの見方が見えてくる。
そして、重ねれば重ねるほどそれぞれの抱えている問題や課題まで、
きっと相手の方から話してくれるようになる。
それを聞いて、先回りして助けてあげたり手を打つと、
彼らからの信頼を大きく得られるきっかけになる。
あと、スタッフは正直1日の食事にも困っている場合があるので、
とても恩義に感じてくれる。
でも、重ねれば重ねるほど金銭的困窮に自分が追い込まれるので注意。
また、精神的にも休まる時間がどんどん減っていきます。
② スキンシップ
肩組んだり、ハイタッチしたり、よくあるあれです。
ただ、話をするだけではなくこれを取り入れるだけで、
スタッフのモチベーションの高まり方が違う。
これはほんとに。
騙されたと思ってやってみてください。
ちなみに、カンボジアでは階級によって触れられる触れられないがあるっぽいです。
Smile=0円と一緒でお金かかりません。
③ とにかく議論を交わす
スタッフとのコミュニケーションに関しては、別で一つの記事にするつもりだけどさわりだけ。とにかく、自分が描いているものやVisionを共有することは大切。そして、その時に必ず彼らの意見も聞く事。うまく、彼らの意見との折衷の形を作ることで、自分とカンボジア人スタッフの描いている目標が重なり、同じ方向へ共に進めることになります。
その際、白熱することもあるけど。やっぱり最後は、スキンシップで笑顔で終わること!後腐れは絶対残さない!
こんなことを地道に続けて、
スタッフから、
「あいつは、頼りになる。」
そんな風に思われるようになったら、
やっとリーダーとしてのスタートラインに立てたと思っていいと思う。
ただ、ここまでするのに時間もお金ももしかしたら大切なものを失う危険があるけど、きっと自らカンボジアに来てこの活動に関わっているのだから大丈夫だと思う。
自分は、恋人を失った....(でも、落ち着いたら復縁の可能性があるから、そちらも諦めないで。
信頼関係が生まれ、スタッフ一人一人のことがわかってきたら。
そこから、彼らの得意分野を生かせることと組織、
目標に照らし合わせたときに必要なことにトライしてみる。
そうするときっと、スタッフのやる気も行動も信じられないものになると思う。これは、カンボジアだからとかじゃなくて日本でもきっと同じ。
自分ひとりでできることは限られているけど、
カンボジア人スタッフが得意分野で力を発揮できる環境を作れると、
君の行動や視点も広がり、より目標に近い形を作れるはず。
その時に必ず必要な、組織の幹の話を次に書きます。
次回...組織の幹は、数字でもお金でもない。