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課題文献『最新の静脈血栓塞栓症の診断』(総論)〜考察編〜

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『深部静脈血栓症 ウェルズスコア 論文』
で上位に表示されます。

⚪この文献を読んだ動機
最近、メディカルスクリーニング(問診とフィジカルアセスメントを用いた鑑別手法)を学ぶ勉強会に参加させて頂いた。
その際に講師の先生が仰っていた言葉の中でとても印象に残ったフレーズがありました。
「セラピスト人生の中で1人か2人は、今この患者さんを動かしてしまう事でこの患者さんを害してしまう可能性がある状況に立ち会う。その患者さんをいかに抽出できるかがとても重要。」
講義のなかでは深部静脈血栓症のリスクを簡易的にスクリーニングできる方法としてWellsスコアが紹介されていました。
深部静脈血栓症や肺塞栓症といった疾患は日常的に遭遇する疾患ではありません。
しかし、普段接している患者さんにも下肢のギプス固定や下肢の麻痺、長期臥床、脱水など静脈血栓症の因子を多く持つ患者さんがいらっしゃいます。
今まで遭遇してこなかったからこれからもしないとは限りません。
リハ介入する上で「この患者さんは動かして良いのか、またどの程度リスクがあるのか」を評価する際に、とても有用なスクリーニングツールであると感じました。
そのため、皆さんと共有したいと考え、『Wellsスコア』の評価方法が記載されているこの文献を選びました。

⚪スタッフ菅による考察
深部静脈血栓の為の検査としてはDダイマーや超音波検査が知られています。しかしこれらはあくまでも現場の資源に左右されてしまう。

Wellsスコアは問診と視診、触診を使用し短時間でスクリーニングすることができ、私たちセラピストにはには有用であると感じました。
また、この検査は点数化しなくても項目内容を把握しているだけでも診るべき視診や触診のポイントまで把握することが出来ます。

今までの臨床では主に呼吸器疾患を有する患者さんへのアセスメントや治療の効果判定のためのフィジカルアセスメントを用いていました。
今後は不調を訴える患者さんに対しても使用出来るように知識や触診技術の向上を図る事が重要と思いました。

参考までにWellsスコアによる深部静脈血栓症のリスク確率を以下に示してます。
⚪臨床的特徴
・進行性の癌(治療中、治療後6ヶ月以内)がある
・下肢の麻痺、しびれ、ギプス固定
・3日以上の寝たきりか4週間以内の手術歴
・深部静脈に沿った圧痛
・下肢全体のしびれ
・無症状側と比較して3cm以上の下肢のしびれ(脛骨粗面より下方を測定)
・圧痕性浮腫(下肢)
・症状側に拡張した静脈(怒張ではない)
以上までをそれぞれ各1点で計算。
・深部静脈血栓症以外の症状の可能性が高い   −2点

上記の項目を点数化した合計点でリスクを3段階に評価。
・0ポイント以下   低リスク   3%の発生率
・1〜2ポイント   中リスク   17%の発生率
・3ポイント以上   高リスク   75%の発生率
となっていました。

今回は以上になります。
最後まで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

⚪次回の予定
 投稿 9月30日(水曜)
 担当スタッフ 山本
となっております。

次回もお楽しみに🤗

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