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一皿の思惑

食事ほど私たちの暮らしと切っても切れない縁を持っているものはない。食事を作ること、食事のマナー、食事の味、食事をする相手などで心と空腹の満たされ加減は大きく変わってくる。


食事は面白いほどに人の嗜好を表現することができる。さらに、食べることに意識を盗られて無意識のうちにあなたや私の裸の本性が出ている。食事をした時に現れる人柄ほど無防備なものはないと感じる。きっと私たち人間は食事中に自分の身が狙われたとしても華麗に回避することは困難だと思う。また、食事の時間に大切な話をしてくるような人は要注意だ。食べることに意識を盗られているうちに曖昧な返答をしてしまう危険性がある。その場の雰囲気に飲み込まれて返答してしまったら、あなたのフルコースメニューは乱れるかもしれない。あなたが食われては元も子もない。
”食事”という生理的欲求を満たす瞬間にあなたや私が何を考えているのか計り知れない。食事を目の前にした私たち人間は生物学的な、動物的な本能のままに食らいついているのかもしれない。

食事を通して見つめる人間性は未知数だ。あなたは誰と何を一緒に食べたいと考えるだろうか。”いただきます”から”ごちそうさま”までの一連の流れとその前後にかけて何を想うのだろか。あなたも私も、心と空腹を満たす最高の”美味しいね”の一皿にありつけますように。

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