自分と文通をしている話
青春の風邪をこじらせ続けているがゆえの行為なんですけど、10年ほど前から自分と文通をしていて
誕生日が来る度に一年後の自分に対する質問や願いを書いた紙を封筒に入れて一年経ったら開封するというものなんですけど、
開封した手紙を読みながら、あーこんなこともあったなぁと懐古しつつ去年の自分からの質問に答え、来年の自分に向け同じような内容の手紙を書く。年に一度行うその行為を自分との文通と呼んでいる。飽き性なのに何故かこれだけは忘れることなく繰り返し続けている。
初期の頃の便箋には、無事に卒業できましたか?などと書いてあった。高校生だった。
夢と希望に溢れる前向きな年もあれば、闇堕ちでもしたのかと思わせるような年もある。字がめちゃめちゃ綺麗な年もあれば、小学生に代筆させたとしか思えない字体の年もある。便箋1枚の積み重ねが自伝になり得ることもあるんだなと、こんな謎めいた行為を突拍子もなくスタートさせた自分の頭を撫でてやりたい。
でも飽きたら辞める。欠かさず繰り返してはいるが思い入れは特にない。満足したら全て焼却する。万が一遺品整理の際などに身内にそれを読まれてしまった場合、私はもれなく地縛霊となる。