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オペラ座の怪人オタクによる「ラブ•ネバー•ダイ2025/02/04 13:30回」レポート
絶賛うつ病フリーターの私ですが、趣味の一つに「オペラ座の怪人」があります。
これはオペラ座の怪人にまつわる映画は勿論、舞台、楽曲を網羅するという趣味です。
ですが同士がいない為(友達がいないともいう)、新情報の仕入れが遅い為、今回訪れた舞台「ラブ•ネバー•ダイ」においてもかなりギリギリでチケットを購入しました(石丸幹二回は既に売り切れていた)。もちろん安い席は全滅ですが、高い席だろうが行かないという選択肢は無かった。16000円払いますとも。
そもそもラブ・ネバー•ダイってなんだという方へ
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このミュージカルは、劇団四季版でお馴染みのアンドリューロイドウェバー版の続編になります。
当たり前?に「オペラ座の怪人」自体は日本では劇団四季が版権を持ってるため他では上演できませんが、続編のこちらはそうではないため劇団四季以外の役者さんが演じております。
お勧めポイントとしては、
続編もアンドリューロイドウェバーが同じく作曲を担当しているので曲がとにかく良いです。
クリスティーヌが続編でも「彼のメロディー!」とか言ってるのに作曲者変わったらなんか萎えますもんね。
微妙かな?という点としたらストーリーです。
誰も救われません。
今回観劇中は息子グスタフとメグジリーに想いを馳せながら観たのですが、グスタフが今後すくすくと育っていく未来が私には見えません。そしてメグの今後も真っ暗です。だーれも幸せになれない。
いや、でも私は好きな作品です。
ただ、バッドエンドが嫌いな方や、ストーリーに対して好みが分かれると思いますので、今からざっくりストーリーを私の感想もりもりで書いていきます。
気になった方いらっしゃればぜひ次回劇場でお会いしましょう(当日券も空きがあれば今回でもいけるらしい)。
ストーリー&感想長々と(ネタバレ含む)(セリフに筆者の意図と要約がかなり含まれてます)
10年後の世界
クリスティーヌがラウルとオペラ座の地下から逃げて10年後の世界が舞台です。土地はアメリカ。
怪人がなんでピンピンしてるかといえば、マダムジリーとメグちゃんが警察から逃し、アメリカに連れていき、お偉いさんを接待してアメリカに劇場を構えさせたからです。
怪人は当たり前ですが人前に出られないので。
オープニングは怪人が「10年経ってもクリスティーヌが忘れられねぇ!」という感じの内容の歌を歌います。
今回怪人役の橋本さとしさんバージョンを初めて観たのですが、育ちの良い怪人、という印象を受けました。
別に市村正親さんが育ち悪いと言ってるわけじゃないんですが、私のイメージの怪人だと、天才だけど狂ってるって感じなのです。橋本さんには品の良い怪人感を感じました。
で、劇場のスターがメグちゃんです。
ですがオープニングの歌から分かるように、怪人はクリスティーヌをいまだに追い求めており、決してメグちゃんにクリスティーヌ用の歌を歌わせるとかでもなく、代わりに愛でてる訳でもないのです。
そんなマダムジリーとメグの元に「クリスティーヌが来米する」というニュースが入ります。
マダムジリーは全てを察し、「今まで世話してやったのは我々なんやぞ!間違っても怪人会うなよ!なめんな!」とお怒りですが、メグちゃんは旧友に会えるとお喜びです。
このシーン、私は今までメグちゃんは深く考えてなかったと思っていたのですが、今回観ているとやはりクリスティーヌに対してライバル感情というか、決して叶わなかった相手、としての劣等感を見て取れました。
まぁでも、まさかこんな怪人劇場には来ないだろ!とメグちゃんは思っていたのですが、そんな訳もなくクリスティーヌを招いたのは怪人です。
クリスティーヌ家来米
クリスティーヌは有名人なので船から降りる時バッシャバッシャ写真を撮られます。
そしてイライラしているラウル。今回の当て馬です。
ラウルはアル中になるわ賭け事に負けて借金まみれだわと、最初から当て馬感丸出しで登場します。それを記者にも馬鹿にされてキレるラウル。
勿論今回来米したのもお金のためです。
それにしてもなんで怪人はお金があるんだろう。意外と経営が上手いのか?それとも見せかけのお金?
クリスティーヌと怪人の再会
ラウルが取引先に呼ばれて一対一で話してくると言い退室(もちろん怪人が仕組んでるし誰も来ない)、息子のグスタフがおねんねするという都合良すぎるタイミングで、窓から怪人が登場します。
ここで「ジャーン!」っとでっかい音がなるので、観客も結構びっくりしてました(多分音に)。
クリスティーヌもいつものように気を失うのですが、さすがにすぐ我に帰ります。
怪人「10年待ってた!」
クリスティーヌ「今更何よ!(ほんとそれ)」
といいつつも、10年前2人に一度過ちがあったという歌を歌います。掛け合いながら歌うので、よく聴いてないと初見だとセリフが何が何だか分かりにくいかもしれません。ただ官能的な感じなので、詳しくは分からなくともストーリーは分かるはず。
怪人は「あの時は離れるのが最適解だとおもったけど、俺の歌歌えるのはクリスティーヌだけ!歌作ったからうちの劇場で歌って!」
と言い窓から去ります。毎回思うけど身体能力半端ないよね。どうやってグスタフが落ちそうになるとクリスティーヌが必死に止めた高さの窓から帰るんだ。
クリスティーヌとラウルとマダムジリーとメグの再会
劇場の下見に来たクリスティーヌと、ステージのリハをしていたメグが再会。
喜ぶ2人。ですが
クリスティーヌ「うち今度ここで歌うで」
メグ「は???主役は私だけど?????」
と怪しい空気が漂います。
そしてマダムジリーとラウルは、お互い怪人の雇われの身か、と話します。
微妙な関係性ですが、大人だから表面上笑顔で握手して乾杯する歌を歌います。表面上。
するといつのまにかグスタフ君が怪人に連れ去られています。
俺の息子!by怪人
グスタフ君はピアノを弾くのですが、そのメロディーが怪人が考えていたメロディーと一致。怪人は「あれこれ俺の子じゃね?」と察します。ファンタジーですね。
そしてノリノリにロックを歌う怪人とノリノリで掛け合うグスタフ君。
ここの歌「beauty underneath」という曲なのですが、めちゃくちゃギターカッコよくておすすめです。このミュージカルで1番好きな曲です。
昂りすぎて怪人は仮面を外しますが、グスタフ君はぎゃー!!と叫んで逃げます。音楽性一致したからって顔を受け入れられるほど大人じゃないんだよ。
そして駆けつけたクリスティーヌはグスタフ君をメグに託して、怪人に「あなたの子よ」と告げます。
知らせたかったけど手段がなかったし、家庭を壊したくなかったから秘密を守り抜いていたと。
突然現実的な話をするのですが、どうしてこういう時DNA鑑定もないのに女性は誰の子か分かるのだろう。よほど致した日や見た目で分かるとしたら旦那も気がつくと思うのですが。まぁこれはファンタジーなので…。
そして怪人はグスタフ君に全てを捧げると歌います。
そしてそれを聞いてたマダムジリー。
マダムジリーからしたら、見せもの小屋時代からずっと怪人を助け続けてきたのに、メグもいるのに、この仕打ちは何よ!恩知らず!
とマダムジリーが歌ったところで第一幕が終わります。
で、この怪人が2人(というかメグ)を大切にしなかったことが後々自分の首を絞めます。
当て馬すぎるラウル
ラウルはアル中なので(多分)、酒場で朝までのんだくれてます。
そして「オペラ座にいた頃の自分じゃないのに、あの頃の自分じゃないのにどうして彼女は自分を愛してくれているのだろう」と歌います。まぁ、怪人と過ちをしたことの負い目もあるんでしょうなクリスティーヌは。
そこに泳ぎに来ていたメグ登場。
「海は綺麗だから汚れを全て落としてくれる…」
と完全に枕営業して病んでる歌を歌います。
そしてお願いだからクリスティーヌを連れて帰ってと言います。
これもラウル一家のためもありますが、メグ自身の威厳を保つためにも帰って欲しかったんでしょうね。
ラウルは口が悪いので「んだよただのショーガールのくせに!」と悪態ついてたところ、突如酒場に怪人登場。
ここ、ついラウルをじっと見てしまいがちなシーンなのですが、最後の方でバーテンがしゃがんだ後立ち上がった時に怪人(客席には背を向けてる)に変わってるんですよね。小ネタです。
そして酔ったラウルは怪人の口車にのり、クリスティーヌがショーで歌ったら怪人の勝ち(ラウルは1人で帰る)、歌わなかったらラウルの勝ち(ラウルの借金チャラ)という歌を2人で歌います。
お前らクリスティーヌは物じゃないんだぞ!!!
そして怪人が去った後、「やべ!大変な掛けしちゃった!」とラウルは正気になりますが、手遅れです。
メグちゃんのショー
メグの歌(bathing beauty)、このミュージカルで1番明るくて好きな歌なのですが、曲が明るい分メグの心情考えると気が沈みます。
ショーが終わり、メグがマダムジリーに「観客も沸いてたよ!私頑張ったよ!怪人も認めたよね!」とウキウキで話すと、マダムジリーは
「あなたは頑張ったし、観客も沸いたけど、あの人は見ていない。クリスティーヌに夢中。2人の間に息子もいるし私達に居場所はない」
と現実を突きつけます。
メグは嘘よ!!!!と言いガラスを破ります。
マダムジリーもステージ後にこんな一気に色々追い詰めるような事を言うなよ、そしてメグちゃんが病んでる事前々から気がついてケアしとけよ、と思うのですが、まぁそこまで気が回らなかったんでしょう。私も頑張った後に母親にこれ言われたらガラス割るしおかしくなりますわ。
クリスティーヌ、歌います
ラウルと怪人それぞれにステージ前に想いを告げられるクリスティーヌ。本番5分前に頭を抱えるクリスティーヌ。
お前らももっと前に話に来いよ!!
そして結局というか勿論と言うか、クリスティーヌは怪人がかいた歌を歌います。love never dies。10年経っても洗脳は解けなかった。
クリスティーヌがサビ前、去っていくラウルを見て悲しむ様子が見られるのですが、まぁお前が怪人選んだから…。
せめてラウルが借金アル中じゃなかったら良かったんでしょうけどね。そうすると怪人の方に行かなかったから(当て馬になれなかったから)仕方ないんでしょうけども。
そしてクリスティーヌはステージ後に怪人と抱き合いキッス。ラウルからの手紙を見て落ち込みもしますが、「あれ、グスタフ居ないじゃん」とやっとこさ気がつきます。
怪人の手下が「メグの楽屋が空で鏡が割れてます!」と教えてくれたので(ここでマダムジリーもメグのケアをすべきだったと言います)、大人総出でグスタフを探しにいきます。
お前らクリスティーヌクリスティーヌって子供から目を離すなよ!!!
壊れたメグ、クリスティーヌの最後
第一幕の方で、グスタフが「夢の中で壊れた女の人が僕を海に連れてった」と言うセリフがあるのですが、それが正夢になります。
メグちゃんがグスタフを引っ張り海の橋の上まで連れて行ったところ、ようやく怪人、クリスティーヌ、マダムジリーが到着。
グスタフ君から手を離し、メグは今まで自分が怪人のために尽くして来て枕営業もしてステージでは笑顔でいた事を話します。
そして狂ったメグは銃を自分の頭に当てて自殺しようとするのですが、怪人はなんとか諭そうとします。ですが怪人も気の利いた男ではないので、「ダイヤの輝きとは違う、クリスティーヌとは違って…」とこの後に及んでNGワード「クリスティーヌ」を出してしまいます。あと宝石とも称えんなよ。
メグが「クリスティーヌ、クリスティーヌばっかり!!」と暴れ、怪人が抑えようとしたところ銃が発砲、運悪くクリスティーヌの腹に当たってしまいます。
ここでラストシーンの都合上?メグとマダムジリーは走って退散します。
ここのシーン、個人的にもっとメグに狂って欲しかったなぁと思いました。今日はまだ正気を保ってそうだったのですが、もっとここはいかれたメグの演技をを出してくれると個人的に嬉しかった(個人の好みです)。
で、クリスティーヌは自分の死を悟りグスタフに「お前のお父さん…怪人なんよ」と言います。
嘘だー!と言い走っていくグスタフ君。誘拐されるわお母さん打たれて死にかけてるわお父さん違うわって精神ぶっ壊れそうな3連発をお見舞いされるグスタフ君。可哀想だよ。
そして怪人の胸の中でクリスティーヌは亡くなります。そこへグスタフ君がラウルを連れて走って来ます。
怪人はラウルにクリスティーヌの亡骸を預け、橋の隅で泣きます。
するとグスタフ君が怪人のそばに行き、ハグをし、マスクをとります。
ここ、今回たまたまなのか前回見た時気づかなかったのか分からないけども、グスタフ君が怪人のところへ行く際に、
ラウルとクリスティーヌの後ろを大股で乗り越えて怪人の方に行っていたのが個人的に気になりました。たしかに亡くなってるのに押すわけにはいかないから仕方ないのだけど、みんなでグスタフ通過ルート残しといてくれると有り難い(何様)。
誰も幸せにならんけど曲がとにかく良いんだ
長々書きましたが、とにかく誰も幸せになれないお話です。
ディ◯ニーだったら絶対こんなお話作らないし、だから劇団四季も版権持ってないんだと思う。
ただ曲はとても良いし、ミュージカルとしてはとても良いし、「ハッピーエンドばかり飽き飽きしてんだ!」という人にはとてもお勧めです。
以上オタクが長々語ったラブ•ネバー•ダイでした。
Spotifyでも曲は聴けるからよかったら(英語だけど)。おわり。
また再演されたらオタク観に行きます!!!