好きな人間言うのって怖くない?
確かYOASOBIの歌に、好きなことを好きだというの怖くて仕方ないよね〜というのがあった気がする。でも正直、「好きなこと」を言うことよりもむしろ「好きなひと」を言うことの方が怖くない??
ここで言う「好きなひと」というのは思いを寄せる好きなひとを含め、恋愛対象かどうかは別として外見やセンスなどが優れていると感じられるひと、能力や知識があり尊敬できるひと、特別な理由はなくてもなぜか気になるひとなど、簡単にいうところの「なんか好きな人間」を指す。つまり私が言いたいのは恋バナが苦手ということではなく(あんまり得意じゃないけど)、「あの人なんかいいよねー」と言い出すのが苦手だということだ。
私が授業を受けているフランス人の先生を廊下で見かけたとき、一緒にいた友達が「あの先生イケメンだね」と何気なく私に言った。それを聞いて、私は一瞬、相手に悟られない程度に動揺した。確かに先生はかっこいい。背が高くてスタイルがいいのでよく目立つし、至近距離で目が合うと緊張するほど顔が整っている。ので誰が見てもイケメンだし私がそれを肯定しようと何の違和感もない。むしろ否定する方が不自然だ。にもかかわらずなぜかこう、私が先生のことをイケメンだと思っているのが相手に伝わってしまうのが嫌というか、そう思っている自分自身を認めることが嫌というかそんな気分になってしまい、「だよねー」と返すのに妙にエネルギーを使ってしまった。しかし私の場合、こういうことが結構よくあるのだ。例えば話題のイケメン俳優の話をしているとき、例えば食堂でオシャレな女の子を見かけて盛り上がっているとき。こういうことが好きですという話は平気でするのに、こういうひとが好きですと言うとなると頭の中で「言うな!言うな!」とサイレンがなる。何気なく「イケメン!」とか「かわいい!」とかを他人に言えるひとを見てなんでそんな簡単に言えちゃうの?と不思議に思う。言えてしまうことを全然悪いことだとは思っていないし、褒め言葉なのだからむしろいいことだとも思っているけど私にしてみればその一言で消費するカロリーがデカすぎる。1日5回言おうものなら多分死ぬ。
このことでとりわけ苦労しているわけではないけど、少し自分では気にしている。気軽に言えた方が楽しい会話ができる気がするし、人の好みを通して相手に自分を知られるのが嫌な失礼でしょーもない奴みたいだし。うーーむ。なんでこんなに好きな人間を言うのって怖いんだろう?
⚫︎どーでもいいおまけ⚫︎
例のフランス人の先生、少し離れたところで友達とだべっていた時にたまたま目が合ってずっーと目を逸らさずに微笑んできたので好きになるかと思いました。ちなみに同じ授業を受けている隣の席の子も先生に絡まれる度に「私のこと好きなんかな!?」と聞いてきます。既婚者だよあの人。
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