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カレーを食べてる君
嗚呼あゝ
もう仕込みが辛くなってきたのでペンを取る。
そう、どうしても言っておきたい事があって。
学校のサマースクールの時の事だ。
君たちに加え、学校の先生にお父さん、お母さん全員でカレーを作ったね。
たぶんジャワカレーと、何かもう一つ別のルー2種類
だったはず。
お父ちゃんは、外で飯盒でご飯を炊く係だった。
ママはカレーを作る、お手伝いだったと思う。
人混みが苦手なお父ちゃんだが、さすがに2年目だから、去年とは身の振る舞いが、あやしくなかったはず。
昨年はしんどくて、グランドの隅の木の下に隠れてた。
けっこう不審な動きだ。
それこそ木の下だけに、木下さんがやってきて、
人混み苦手なんですねー!にやり。
そういう風にわかってくれる人が増えると
お父ちゃんも、もっと生きやすくなるだろうね。
そしてみんなで、ヤマメを串に刺し、炭火で焼いた。
香ばしい匂いが運動場に拡がる。
さいごに食堂で、全員でカレーとヤマメを食べるんだが、お父ちゃん普段ひるめし食べない。
でも、何だか今日は食べる気分になり、食堂に足を運んだ。
すると正面に、君がいるではないか。
およそ10メートルの距離。朝来ていった赤いTシャツを着ている。
一瞬、お父ちゃんと目があったが、夢中にカレーをたべて君。
ぱくぱく。もぐもぐ。
くー!!なんて可愛いんだ!!
いつもの君だ。毎日の風景だ。
なぜかたまらず涙が吹き出す。
こっそり駐車場で涙を拭う。
わからない。わからないがその時の君が
何度もアタマの中によみがえるのだ。
ぱくぱく。もぐもぐ。
ぱくぱく。もぐもぐ。
はい。ただそれだけでした。
最後に
日本のカレーも美味しかった。
こんど作ってみよう。
ありがとうね。
君への手紙9