映画「オアシス」を観て。

原題:오아시스
邦題:オアシス

監督:イ・チャンドン(2002)

あらすじ: 前科三犯のジョンドゥ(ソル・ギョング)は、出所後自分がひき逃げした被害者の家族に謝罪に行き、重度脳性麻痺のコンジュ(ムン・ソリ)と出会う。2人は秘かに愛を育んでいくが、周りはそれを許さない。(引用)

感想:これ以上の純愛映画をワタシは知らない。

愛って、周りに認められないと愛にならないのかな。同性愛も然り、この2人も然り、なぜ？同性だから？障がい者だから？前科者だから？愛って何？だったら最初から愛なんて存在してなければよかったのに…。

コンジュの愛を伝えたくてしょうがない、頭の中の世界が否応にも愛おしくていじらしくて。その頭の中の世界を知らなくても献身的な愛で接するジョンドゥ。

そして最大の愛情表現と感じた、木を切るジョンドゥとラジオの音量を上げるコンジュ。あと数メートルのとこにお互いいるのに。

家族から、世の中から弾き出された存在。ワタシ自身、就活など何をしてもうまくいかないとき、自分は世界から必要とされてないんじゃないかとひどく悲しくなったことがあった。この2人はとても強い。だから美しい。

兄をかばって刑務所に入ってたジョンドゥ。この人は誰かを愛することを知っていたけど、誰かに愛されることを知らなかったんだね。無下にされても家族愛があって。なんて純粋な人なんだろう。そしてこの社会に適応がなかなかできない感じ、限りなくグレーな状態。誰か助けてよ。

なんとまあ…演技ってなんだろうってなる。ムン・ソリさんめちゃくちゃ綺麗なひとやんなあ。ソル・ギョングさん、殺人者の記憶方の人と知って納得…。若い時から衰えを知らない。

2人のキスシーンとベッドシーンはめちゃくちゃ泣いてしまったよ…。愛のある行為ってこんなにも言葉にし難いことなんだなあと。

想像を遥かに超えた映画。至極の純愛。それは誰も理解できない。