ねむりひめ
目が覚めると、わたしは知らない男の人に口づけされていた。男を突きとばし、悲鳴をあげる。
男はわたしの勢いに負けてあとずさりした。彼は、ズリ落ちそうな頭の王冠を手で押さえる。
「ぼ、ぼくは、となりの国の、王子…」
わたしはベッドから立ち上がり男をにらみつけた。
「王子だからってなに?あなたのやってることはね!建造物侵入、密入国、強制猥褻、空き巣に強盗にあたるわよ!」
男はその場にへたり込んだ。
「い、言い伝えのねむりひめを、た、助けに来ただけなのに…」
男の顔を見ているとピンときた。
わたしは男に詰め寄ると男の鼻先に人差し指を突き出した。
「もしかして、あなたが睡眠薬を盛ったんじゃないでしょうね!」
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